【テンピ(米アリゾナ州)2月28日(日本時間2月29日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(25)が、今季オープン戦の出場3試合目、7打席目で初安打初打点をマークした。レンジャーズ戦に「4番DH」で出場。1回1死三塁のチャンスでバットを折られながらも左前に運んだ。第2打席はタイミングを外された空振り三振で、2打数1安打1打点。まだ本調子とは言えないが、開幕へ向け状態を上げていく。

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20年シーズンの実戦初安打は、泥臭く、しぶとい当たりだった。大谷は1回1死三塁、レンジャーズ先発リンの内角直球をフルスイングした。昨年16勝の右腕にバットを折られながら、左前へポトリと落とした。オープン戦3試合目での初安打、初打点。「見え方は良くなっているかなと思います」と前を向いた。

クリーンヒットとはほど遠い、どん詰まりだった。状態としては「(ボールとの)距離感がとれていないというか、測れていないというか…」と歯切れが悪い。今キャンプから右足を上げる新打法を導入。この日は足を上げず、すり足に近いフォームだった。調整の最中にいるが「足を上げなくても上げても、最初はどちらかというと(ボールに)差し込まれる。春先は特に感じるかなと思います」と淡々と振り返った。

方向性は間違っていない。25日のレッズ戦出場後、タイミングの遅れについて「泳ぐよりはいい。そこをちょっとずつ調整するというのが大事」と話した。泳げば打球が伸びないドライブ回転の打球や、引っ張ったゴロとなりやすい。昨年も顕著に表れた、状態が悪い時の傾向だ。安打は、本来の打撃スタイルでもある中堅から左方向への打球。4番として期待しているマドン監督も「逆方向に打った安打は非常にいい」と評価した。

3月26日、アストロズとの開幕戦まで残り1カ月を切った。「徐々に良くなっていくパターンかなっていうのは、いつもそうですけど、そういう心持ちでいるのは良くない。1日でも早くしっかり打てるように、そういう気持ちでやりたい」。足元を固めて万全の状態でいく。