新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕を延期しているMLBが、目標としていた7月4日の開幕を再延期することが確実となった。

ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者によると、開催が決定した場合、MLBは各球団が感染防止の対策を整え選手に集合をかけるまでに10日の準備期間を設け、さらにキャンプ期間に3週間を見込んでいるという。

7月4日まですでに1カ月を切り、今季開催に関するMLBと選手会の協議は難航。同記者は「協議は頻繁に行われているが、具体的な交渉に至っていない。開幕は大幅に遅れる可能性がある」と伝えている。

米メディアの中には、開幕が8月までずれ込むかもしれないとする指摘もある。そうなれば、オーナー側が要望している50試合前後の開催が現実味を帯びてくる。米ベテラン記者の中には、今季開催自体を疑う声も出始めた。

<MLB開幕問題の経過(日付は現地時間)>

3月12日 3月26日に予定していた開幕を延期すると発表。

4月7日 MLBと選手会がアリゾナ州に30球団が集まり5月からキャンプ再開を検討中と報道される。

10日 アリゾナ、フロリダ2州での開催案浮上。

5月12日 MLBが7月4日開幕を目指した82試合開催、ポストシーズン拡大、選手の大幅減俸案を作成し、選手会と協議開始。

16日 MLBが、新型コロナウイルス予防などの安全面に関する67ページにわたる案を選手会に提出。

26日 MLBが、選手の報酬に関する案を正式に選手会に提出。高額年俸選手ほど減額の割合が大きくなるスライド方式が提案され、選手会が反発。

31日 選手会が、114試合の開催を対案としてMLBに提出。報酬は減額せず、正規年俸の日割り支払いを主張。

6月3日 MLBが選手会の対案を却下。

4日 選手会のクラーク専務理事がMLBの報酬案を拒否する声明を発表。

5日 選手会がMLBに「MLBは米国から野球を奪っている」と批判する書簡を送る。

6日 7月4日の開催は不可能との報道が出る。