<エンゼルス紅白戦>◇7日(日本時間8日)◇カリフォルニア州アナハイム

エンゼルス大谷翔平投手(26)が18年9月2日以来、674日ぶりに実戦で登板し、打者のべ10人に対して1安打7四球1三振の結果だった。

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今回はコントロールどうこうより、50球投げられたことが良かったと思う。肘は肩と比べたら、手術すればそれほど問題なく再び投げられるようになるもの。肘に関しては心配はしていない。むしろ気になるのは昨年9月に手術を受けた左膝の方だ。

私もかつて右膝の内視鏡手術を受けたことがある。膝というのは体を支える部分で、そう簡単には完治しない。腫れぼったいような違和感がずっと残り、いまだに正座をすることができないくらいだ。打撃もそうだが、投球のメカニズムの中で膝の役割は重要。大谷は踏み出す足を突っ張るようにつくし、加えて米国のマウンドは硬い。左膝にかかる衝撃は相当なものだろう。

大谷の手術がどの程度のものか、はっきりとは分からない。だが自分の中で左膝をこういう風に使おうというイメージがあり、現時点でそのイメージ通りに動いていない可能性はある。だから制球が定まらないのではないか。

ここから投球の精度を上げていかないと当然、公式戦で投げることはできない。ただ今季は変則的な日程で60試合しかプレーしない。焦る必要はないと思う。急いで調整して再び膝を悪くするのは最悪のシナリオだ。今後のことも見据え、まずはしっかりと下半身をつくってほしい。(日刊スポーツ評論家)