ヤンキース田中将大投手(31)がレッドソックス戦に今季初先発し、2回2/3を投げて4安打2失点(自責1)1四球3奪三振の内容で、勝敗は付かなかった。

4日の練習中、頭部に打球を受けた影響で球数は50球をめどだった。だからこそ、立ち上がりから意図的に最速94マイル(約151キロ)の速球で押した。「コースよりも高低、球の勢いを意識して投げました。強度を上げて体をビルドアップしていこうと思いました」。09年以来11年ぶりに戻したワインドアップから投げた速球系は51球中31球(61%)。昨季の約31%から劇的に増やし、ボール先行カウントでも高めの速球でファウルを打たせ、空振りを奪った。田中は「もう年食ってますけど」と笑ったが、故障明けを感じさせない若々しいプレートさばきだった。

60試合の短期決戦とはいえ、焦って仕上げても仕方ない。「今持っているものは出せたと思います。次の登板までは確実に上がっていくと思います」。ブーン監督も「速球にパワーもスピードもあった。力強いステップだった」と復帰登板を高評価。5連勝を飾った首位ヤ軍に、頼もしい右腕が帰ってきた。