【アナハイム(米カリフォルニア州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、7試合ぶりのスタメン復帰で強烈な1発を放った。レンジャーズ戦に6番DHで出場し、2回の第1打席で右翼越えに角度21度のライナーで運ぶ6号ソロ。第2打席でも中前打を放ち、3打数2安打1打点でチームの3連勝に貢献した。11日のロッキーズ戦以来、実戦の打席から1週間遠ざかったが、不変の取り組みで好結果を残した。

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大事な1打席目、大谷が1発で結果を残した。3点を追う2回2死、右腕リンの95マイル(約153キロ)の外角直球を強振した。「まずは1点返せたことが良かった」。この日チーム最速の打球速度109・1マイル(約176キロ)で右翼越えに弾丸ライナーの6号ソロ。「個人的にも1打席目で結果が出るか出ないかで全然違う。そういう意味でもすごく良かったかなと思います」と胸をなで下ろした。

前日まで5試合連続で欠場。故障以外では、メジャーで初めて味わう長いベンチ待機だった。7試合ぶりに先発メンバーで起用された最初の打席。「緊張はしないですね」と振り返ったが「久しぶりの感覚だなというか、野手が守っている中で、打席に立って打つという違和感みたいなのは最初はありました」と心境を明かした。プレーオフ進出へ1敗もできない状況が続く中「調子のいい選手をどんどん使っていくというのは普通のこと」。打てなければ、外される。2年連続で打者で結果を残した大谷も例外ではなかった。

試合に出てチームに貢献する。そのために不変の準備を続けた。「特に変わった練習はしていないです。逆に違う練習をしたら、いい感覚かどうかも分からない。普段と同じ練習の中でいい感覚なのか、違うのか分かると思うので、継続していくことはやっぱり大事」。欠場期間に取り組んだことは「構えている時の、全体の見え方」で、一貫して重点を置く部分だった。

改善点を見つけるため、タイミングを取る際にかかとだけを上げる形から、日本ハム時代のように右足を上げる方法を練習から試した。「元々(足を)上げていたので、どこが違うのか、ここがいいっていうのが分かりやすいところもある」。基礎として固めた形と照らし合わせる作業を日々、繰り返してきた。

この日2本目の安打となる中前打も、打球速度104マイル(約167キロ)の鋭いライナー性だった。「どの球に対しても強く振れているので」と感触に手応えを得た一方で「3打席だけで判断するのは早いかなとも思いますけど、ボールの見え方はすごく良かった。また明日以降、出る機会があれば継続して取り組む」と気を引き締めた。継続は力なり。残り7試合で成果を示す。

▼筒香と大谷がそろって本塁打。日本人選手2人の同日アーチは、17年8月22日のイチロー(マーリンズ)と青木(ブルージェイズ)以来3年ぶり。筒香が打順1番で本塁打を放ったのは日米を通じて初めて。