ツインズ前田健太投手(32)が今季6勝目を挙げ、日米通算150勝を達成した。23日(日本時間24日)のタイガース戦に先発し、6回4安打3失点。6回1死一、二塁からカブレラに3ランを浴びたが、リズム良く投球し、9奪三振の力投をみせた。流れを引き寄せ、チームの4連勝とア・リーグ中地区首位浮上に貢献。レギュラーシーズン最終登板で節目に到達し、有力視される29日(同30日)のポストシーズン初戦の先発へ弾みをつけた。

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気持ちもスッキリ、前田が節目に到達した。日米で13年をかけ、積み上げた勝ち星は150個。「目標にしていた数字ではないですけど、日本だと200勝すれば殿堂入り出来るし、200勝したい。シーズン最後の登板で、キリよく150勝を達成できてよかった」とほおを緩めた。

ドジャースから移籍して1年目。異例の60試合シーズンを先発として全うした。中継ぎに配置転換された昨年、シーズン終盤に「もちろん納得いかないところはある。逆にすぐ切り替えられたら、ダメだと思う。捨てないといけないこともあるけど、必要なプライドもある」と打ち明けた。アマチュア時代から続けてきた先発に、こだわりがある。「先発ができなくなったら(野球を)辞める時だと思っている」と覚悟を決め、腕を振ってきた。

だからこそ、ツインズ首脳陣の言葉がうれしかった。「1年間、ローテーションを守って投げてもらいたいと入団する時に言ってもらえた」。双方の思いが合致し、今シーズンを迎えた。「監督やコーチに期待してもらったり、任せてもらえるのは意気に感じますし、力にできるタイプ」と、水を得た魚のように大活躍。「先発としてできる限り続けていきたいと思っているので、こだわりを持って今後もやりたい」と、変わらぬ矜持(きょうじ)を示した。

気持ちの充実だけでなく、技術面でも課題を克服した。宝刀スライダーを左打者の内角へも有効に使い、ツーシームで投球の幅も広げた。11登板で最多失点は3。状態が悪くても、粘り強い投球で先発の役目を果たした。「ようやくそういうピッチングができるようになってきて、今年1年は今までの4年間の自分とは全く別人のような感覚でできた。すごく成長を実感できた1年だった」。

次回はポストシーズンでの登板となり、29日のワイルドカードシリーズ初戦の先発が有力視される。「僕自身ずっと、ポストシーズンで先発したいと言い続けてきましたし、しっかりチームの勝利に貢献できるように、一生懸命投げたい」。悲願のワールドシリーズ制覇へ、さえぎるものはない。【斎藤庸裕】

○…マエケン画伯の150勝記念Tシャツが販売される。この日の試合後のZoom会見で「Tシャツと帽子を作ったので、それを販売すると思います。オンラインストアで。自分が描いて作ったものを販売して、また着る形になると思いますけど」と苦笑いで告知。7月下旬に自身のオリジナルグッズを販売するオンラインストア(http://maeken18onlinestore.com/)を開設しており、収益は医療機関に寄付される。詳細は後日、発表されるという。