楽天が、ヤンキース田中将大投手(31)の獲得調査を進めていることが10日、分かった。13年にシーズン24連勝を成し遂げ、球団初のリーグ優勝、日本一へ導いたイーグルスの宝。ポスティング(入札)制度を利用して海を渡った後も良好な関係を保ち、変わらぬ評価をしている。田中も古巣への愛着は深い。ヤ軍との7年契約が終わり、ワールドシリーズ終了後にフリーエージェント(FA)となるその去就に注目が集まる。

   ◇   ◇   ◇

楽天が、マー君復帰の道を探る。所属のヤンキースは、地区シリーズ第5戦でレイズに敗れ今季が終了。7年契約を全うした田中は、ワールドシリーズ終了後に、ヤ軍を含めたすべての球団と交渉が可能となる。 若いチームの礎を築いた田中に対する最大級の評価は変わらない。日本球界復帰を視野に入れる場合には、即座に獲得へ向けて動く可能性が極めて高い。

球団創設3年目の06年、高校生ドラフト1位で入団。1年目から11勝をマークし、09年以降5年連続で2桁勝利を挙げた。13年には日本記録の開幕24連勝を達成し、球団初のリーグ優勝に貢献。日本シリーズでも胴上げ投手となり、東北に悲願の日本一をもたらし伝説となった。同年オフ、球団はポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を容認。7年総額163億円の大型契約でヤンキースへ移籍した。同システムの制度に基づき、球団には上限となる2000万ドル(約21億円)の譲渡金がもたらされた。

田中は米国移籍後も、毎年オフには仙台へ戻り、球団へのあいさつとシーズン終了の報告を欠かさない。球団施設での自主トレ、新人へのアドバイスも行っている。則本昂、松井らと仙台市内の小学校訪問も続けており、東北への愛着は深い。日米通算177勝を誇る右腕が、全盛期に復帰すれば東北だけでなく、日本球界にとってこの上なくうれしい移籍となる。マー君が大きな節目を迎える。

○…ヤンキースのキャッシュマンGMは先月、ネットラジオ番組で田中について言及していた。ラメーヒュー内野手、ガードナー外野手もFAとなるため、田中も含め「彼らは素晴らしい才能を持った選手。我々だけでなくどのチームも欲しがるだろう」と表現した。同GMはシーズン終了後間もなく経営トップと数日間に及ぶ編成会議を行うのが常で、今オフも「経営陣と話し合う」と話していた。