32年ぶり7度目のワールドシリーズ王者に輝いたロサンゼルス・ドジャースのジャスティン・ターナー内野手(35)が試合中に新型コロナウイルスに感染したことが判明して8回に途中交代した後、優勝が決まるとマスクを外してチームメートと抱き合い、記念撮影に応じていたことで批判を浴びている。

大リーグのロブ・マンフレッド・コミッショナーは「すぐに隔離措置を取った」とコメントしていたものの、優勝が決まると歓喜に沸く選手の輪に中にマスク姿のターナーの姿もあった。ターナーはトロフィーを手に記念撮影する際にはマスクを外し、妻のコートニーさんと寄り添うように肩を抱き、キスまで披露。その後もマスクを外したままスタッフや選手の何人かと抱擁する姿なども見られ、チームの記念撮影でもマスクを外して笑顔を見せるなどしており、米メディアは「ショッキングな場面」などと痛烈に批判している。

地元メディアは、ターナーが隔離措置のために球場を後にするのを拒んだと伝えており、ドジャースのフリードマン編成本部長は「誰も止める人がいなかったのだろう。周囲に気を付けて他の人と距離をとっていたと思う。写真撮影に加わりたかったのだろう」などとコメントをしている。

しかし、陽性が発覚したばかりの選手がフィールドで、他の選手たちとソーシャルディスタンスを無視して優勝を祝う様子が報じられると、「冗談だろ」「手袋なしで(他の選手たちも持つ)トロフィーを持つなんて…」「周囲の人を危険にさらすのはやめて。あなたは大丈夫でもそうじゃない人もいる」「ドジャースファンのワールドシリーズ優勝を祝う気持ちを台無しにした」と軽率な行動にSNSも大炎上しており、「あってはならないことだ」と物議を醸している。

ターナーは自身のツイッターで「気分は良く、症状はまったくありません。チームメートたちと一緒に祝うためにそこにいられないなんて信じられなかった」とコメントしている。

同僚のムッキー・ベッツは「彼はチームの一員です」とESPNの取材でコメントし、チームメートとして排除することをしなかったと擁護している。ターナーの周囲にいた選手やスタッフの一部もマスクを着用していなかったことからドジャースは感染を拡大させないため、選手とスタッフは全員が宿舎のホテルに戻ってPCR検査を受けたと伝えられているが、濃厚接触者としてそのままホテルで2週間の隔離措置が取られるのかどうかは明らかにされていない。

米USウィークリー誌は、ターナーが陽性判明後も隔離措置を受けずに球場に残っていたことに対して大リーグは調査を行うと伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)