【ピオリア(米アリゾナ州)25日(日本時間26日)=四竈衛】マリナーズ菊池雄星投手(29)が、今キャンプ初めて実戦形式のフリー打撃に登板した。ハニガーら主軸の右打者延べ7人に対し、37球を投げて無安打4奪三振1四球。順調な仕上がりを披露した。速球はコンスタントに最速96マイル(約155キロ)を計測。詰まったファウルを打たせたり、バットをへし折ったほか、外角へのカットボールで昨年の新人王ルイスを空振り三振に仕留めるなど、力強さだけでなく、安定感を兼ね備えた内容だった。

練習後は、マ軍広報部の計らいもあり、屋外でソーシャルディスタンスを維持した状態で日本報道陣の取材に対応。「初日にしてはすごくいい実戦になったと思います。問題なく、スムーズに投げられましたし、おおむねいい方向に行っていると思います。1つ1つの球種の精度も上がってますし、意図のあるボールを投げられました」と、冷静に振り返った。

見守った岩隈久志特任コーチ(39)も、メジャー3年目を迎える菊池の状態を高く評価した。「良かったと思います。速球に力があったし、スプリットも良かった。ブルペンでやってきたことが出ていたんじゃないですかね」。今後はオープン戦での調整に移行する見込み。引き締まった体の菊池に、飛躍への期待感が漂っていた。