大リーグ・アスレチックス傘下1Aランシングの冨岡聖平投手(25)が4日(日本時間5日)、レークカウンティーとの開幕戦に登板し、デビュー戦初勝利を挙げた。

2回を1安打1奪三振無失点の好投。7-0とリードして迎えた5回から登板し、遊ゴロ、見逃し三振、遊ゴロで3者凡退。6回は2死から二塁打を許したが後続を断った。「勝ち投手になったことは、5回、6回をまたいで、たまたまついたもの。それよりも、0点で抑えられたことが収穫でした」と幸先の良いスタートを切った。

冨岡は19年11月にアスレチックスが都内で初めて行った投手限定の入団テストを受験。最速153キロの直球などがスカウトに評価されて合格。翌年1月にマイナー契約を結んだが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大のためにマイナーリーグが中止。渡米することもかなわず昨年1年間は、知人が営むトレーニング施設がある愛知県や、実家の富山県での調整を余儀なくされた。「去年1年間は野球が出来ず、ただ練習に明け暮れていたので、グラウンドでみんなと野球が出来たことが何よりうれしかった」。今冬の富山は例年以上に雪も多く、地元の中学校やバッティングセンターにあるブルペンを借りての投球練習は、今春になってからだ。捕手もいないまま、ネットに向かって1球1球、投げ込んだ。投げるたびに自分でボールを取りに行くこともあった。

日本で英語力にも磨きをかけ、今季は3月中旬に渡米し、マイナーキャンプに合流。1A上級クラスのランシング(ミシガン州)でのスタートが決まった。「キャンプから徐々に環境に順応出来ています。シーズンを通して、少しずつギアを上げていきたいです」。メジャーリーグ昇格に向けて、まずは第1歩を踏み出した。

◆冨岡聖平(とみおか・しょうへい)1996年(平8)2月29日生まれ、富山・黒部市出身。田家小3年時に田家イーグルスで野球を始め、鷹施中では軟式野球部所属。桜井高では1年秋からベンチ入りし、高3夏に県準優勝。東洋大ではソフトバンク甲斐野やDeNA上茶谷らの1学年上で、東都通算6試合登板で1勝1敗。卒業後はバイタルネットに入社。180センチ、89キロ。右投げ右打ち。家族は両親と妹2人。血液型O。特技はイカ釣り。