ブルージェイズ菊池雄星投手(30)が16日(日本時間17日)、昨季まで在籍した古巣マリナーズ戦に初先発。6回1安打6奪三振無失点と好投し、今季2勝目(1敗)を挙げた。

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マ軍に在籍した昨季終盤、菊池は微妙な心境を口にしていた。「今の状態なら…」。メジャー3年目の前半は快調に白星を重ね、球宴に選出されるなど、着実にエースへの道を歩んでいた。ところが、後半戦に入ると、不安定な投球や不運な試合展開が続き、8月3日を最後に白星から遠ざかった。

19年に契約した際、チーム再建途上のマ軍側からは、「3年計画」を提示された。目先の勝敗にこだわることなく、ポストシーズン(PS)争いに加わるための土台作りとして、菊池には年間を通してローテの一角を任せる方針が伝えられていた。だが、PS争いが熾烈(しれつ)となった昨季の佳境で、菊池は先発ローテから外れ、ブルペン待機を命じられた。その時点で、菊池が危機感を持ったとしても不思議ではない。

マ軍との惜別を決意することは、おそらく簡単ではなかった。ただ、プロである以上、求められる立場以上のものはない。古巣相手の6回無失点。菊池が見せた能力こそ、マ軍が見抜き、期待していたレベルだったに違いない。【MLB担当=四竈衛】

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