カブス上原「レベル高い」中学生からスライダー直伝

ストライク当てのゲームに挑戦する上原(撮影・高橋洋平)

 実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな-。カブス上原浩治投手(41)が21日、福島・郡山市で行われた野球教室で、新球のヒントをつかんだ。参加した約200人の小中学生を相手に約2時間の実技指導を終え「福島の中学生はレベルが高い。

 スライダーの握りを教えてもらいました。今はほとんど投げてないので」と仰天告白。現在は直球とフォークで投球を組み立てており“新球”をマスターして幅を広げる。

 切れ味鋭く斜めに曲がるスライダーに目を奪われた。「キャッチボールを見たら、すごくいい変化をしていた」。上原はためらうそぶりも見せず、鮫川中3年の市川正己(まさき)投手に握りを聞いた。

 突然、メジャーリーガーに教えを請われた地区大会2回戦負け右腕は「びっくりしました。中1から投げ始めて、それほど得意ではないんですけどね」と照れ笑いした。

 ただ、握りには工夫が施されていた。通常では人さし指と中指をそろえるのがほとんどだが“市川先生”は「より曲げるために、普通より指を開いてます」と説明。「いい思い出になった。もし投げるなら名前は正己スライダーでお願いします!」と笑顔を見せた。

 移籍したカブスにとっては2年連続の、そして自身2度目の世界一に挑戦する上原。「けがをしないで、1年間きちんと投げたい」。中学生からでも技を盗む貪欲さが真骨頂。プロ19年目で新境地を見せる。【高橋洋平】