青木宣親打った走った!貧打侍救世主だ2安打1盗塁

初回、安打で出塁したアストロズ青木は、懸命に走り二盗を試みる。右はタイガース・カブレラ(撮影・菅敏)

<オープン戦:タイガース11-4アストロズ>◇25日(日本時間26日)◇レークランド

 頼むぞ、青木!メジャーリーガーでただ1人、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場するアストロズ青木宣親外野手(35)が、オープン戦初戦でいきなり2安打1盗塁をマークした。メジャー173勝右腕、タイガースのバーランダーから投手強襲の内野安打を放つなど、上々の滑り出しを見せた。今日26日に帰国し、3月3日の阪神との強化試合(京セラ)から出場予定。なかなか調子が上がらない侍打線の救世主となる。

 青木がオープン戦初戦でいきなり結果を出した。早朝7時からバスに乗り3時間かけて敵地に乗り込み、タイガース戦に「1番左翼」で出場。相手先発はメジャー屈指のエース右腕バーランダーだったが、1回にいきなり投手強襲の内野安打を放った。後続が2者連続凡退した後の4番ホワイトの打席では、しつこく3度けん制された直後に二盗に成功。「バーランダーは結構、けん制が速いんで、今まで走ったことがなかったんですけど。思ったよりも走れた」と、大会本番のために足の感触も確かめた。

 7回には6番手右腕ウィルソンから左前打を放ち、守備では4回から中堅に移り、2度の守備機会も俊敏にこなした。いきなり7回までと長いイニングをプレーしたが「思ったよりも(疲れは)感じてないんだよね。やっぱり気持ち入ってるからかな。いつもの実戦の初戦とは違う。それだけ、前倒ししてやってきたっていうのもある」と自信をつかんだ。ヒンチ監督は「良かった。今日のような働きを彼から期待している」と満足そうだった。

 前日25日には、侍ジャパンがソフトバンクとのオープニングマッチで0-2と完敗。「ニュースで見ました」という青木は、打線がわずか4安打に終わったことを質問されると「まあやっぱりその辺はチェックしてますけど。気になるところだし」とだけ話した。試合前にはベネズエラ代表でタ軍主砲のカブレラと談笑し、WBCについて代表との合流時期などを話したという。

 青木は、今日26日も敵地でのブレーブス戦に出場し、試合後に最寄りの空港に直行し帰国。28日には日本に到着し、3月2日にいよいよ侍に合流する。【水次祥子】

 ◆青木のWBC ヤクルト時代の06、09年に出場し、大会2連覇。06年は1、2次リーグで控えだったが、韓国との準決勝、キューバとの決勝ではスタメンで起用。09年は全9試合に3番でスタメン出場し、2次ラウンドのキューバ戦では日本人初の1試合4安打。大会トップタイの12安打、チームトップタイの7打点をマークし、松坂、岩隈とともにベストナインに選ばれた。