今年のMLBドラフト3日目となった14日、カブスが19巡目(全体585位)にクリス・シングルトン外野手(20=チャールストン・サザン大)を指名した。
サウス・カロライナ州の地元紙ポスト・アンド・クーリエ電子版によると、同外野手の母親シャローナさんは、2年前の6月17日、同州チャールストンの黒人教会で、白人の男が銃を乱射した事件で亡くなった被害者の1人。
母を失ったシングルトン外野手は事件翌日、チャールストン・サザン大野球部の本拠地CSUボールパークで「私は言いたい。愛は憎しみよりも強いということを。もし、私の母のように人を愛することができたなら、憎しみは到底、愛にはかなわない」と話し、周囲を感動させた。
そのシングルトン外野手が母の命日の3日前となる14日にドラフト指名され、あの時と同じCSUボールパークに立った。「多くの神のご加護と少しの自分(の努力)によって指名を受けることができました。素晴らしいタイミングで、本当に幸せです」と感謝の言葉を述べた。
カブスから指名の知らせを受けた時、同外野手はプール掃除の仕事をしていた。2月に父親も亡くなり、一家の大黒柱となったシングルトン外野手は友人とともにプール清掃会社を設立。家族を養っていた。「指名の電話を受けた時、心臓が飛び出しそうになった。以来、何か現実じゃないような感じです」と素直な気持ちを表現した。
チャールストン・サザン大野球部で同外野手を指導したスチュアート・レーク氏は「自分の子供がドラフトされたようにうれしい。クリスのことを本当に誇りに思う。彼は『僕にチャンスをくれてありがとう』と言ってくれたが、こちらの方がもっと感謝だよ。彼はいつだって1人の人間として私の家族の一員でいてくれたから」と話した。