マエケン8勝 世界一目指すチームに抱くイメージ

<ホワイトソックス1-9ドジャース>◇19日(日本時間20日)◇ギャランティードレートフィールド

 ドジャース前田健太投手(29)が、今季8勝目(4敗)を挙げた。ホワイトソックス戦に先発し、5回5安打1失点。毎回のように走者を背負いながら、粘り強い投球で最少失点に食い止め、ド軍を今季最長の11連勝に導いた。世界一に輝いた1955年以来62年ぶりとなるシーズン2回目の2桁連勝を継続。ここ35戦31勝と圧倒的な強さで、88年以来29年ぶりの世界一へ、着々と足場を固め始めた。

 勢いを止めるわけにはいかなかった。5回裏2死一、二塁。初回にソロ本塁打を浴びた2番カブレラを二ゴロに仕留めた前田は、右手でグラブをたたくと、跳ねるような足取りでベンチへ向かった。直後の6回表、ド軍が一挙4点を奪い、リードが広がった状況でお役御免。「いつも勝ってるイメージしかない。チーム状態がいいので、しっかり自分の仕事をすれば勝てると思っていました。流れに乗ることができたと思います」。今季最長のチーム11連勝に、試合後は自然と笑みがこぼれた。

 後半戦初登板。いわゆる「休み肩」の状態だった。7月7日以来、中11日の間隔だった。球宴中は、後半戦の開幕地マイアミに家族と一緒に先乗りし、プチ旅行でリフレッシュした。ただ、登板日を伝えられていたとはいえ、調整は簡単ではなかった。数日間はボールを握らなかった一方、全体練習再開後は、意図的にトレーニングの強度を上げた。「時間があった分、しっかり調整できました」。練習メニューに強弱を付け、この日は初回からアクセルを踏んだ。6月中旬、救援へ配置転換された際に思い起こした「ストライク勝負」の攻撃的姿勢で、ピンチをしのいだ。

 試合は、8回表2死、ド軍の攻撃中に降雨中断となり、そのままコールド勝ちとなった。世界一に輝いた1955年、シーズン2度の2桁連勝を達成した際も、連勝記録は今季と同じ「10」と「11」。データ的にもプラス材料が並んでいる。

 地区首位を独走中のド軍首脳陣は、ポストシーズンを見据えた戦略にも目を向け始めた。離脱中の柳賢振が24日に復帰予定で、今後は暫定的に「先発6人ローテ」を検討中。ロバーツ監督は「全員をフレッシュな状態に維持しておきたい」と、余裕たっぷりに言う。裏を返せば、結果を出せなければ枠から外れることを意味する。本来の調子を取り戻してきた前田が依然、先発枠の当落線上にいるド軍に、現時点で死角は見当たらない。【四竈衛】