大谷獲りへ異例!ヤンキースGMが復帰登板視察へ

仙台空港からソフトバンク戦の行われる旭川に向かう日本ハムの大谷(撮影・黒川智章)

 ついにヤ軍の編成トップが動く。ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(50)が、日本ハム大谷翔平投手(23)を直接視察する予定であることが28日、分かった。関係者によれば、29日に来日し、同投手の復帰登板が見込まれている、31日のソフトバンク戦(札幌ドーム)を訪れる。同GMが、獲得候補選手を直接視察するのは異例中の異例。盟主ヤンキースが、今オフにもポスティングシステムを利用してメジャー移籍する可能性のある大谷争奪戦に、並々ならぬ決意で臨む姿勢が示される。

 大谷の復帰登板に合わせ、メジャー屈指の「大物」が来日する。ヤンキースの編成トップ、キャッシュマンGMが、31日にソフトバンク戦が行われる札幌ドームを視察する方向で調整に入っている。ヤ軍は現在、レッドソックスと激しい優勝争いの真っ最中。多忙なスケジュールの合間を縫って、複数の幹部を引き連れての視察を実現させる。

 98年に30歳の若さでヤンキースのGMに就任した同氏は、潤沢な資金力をバックに、過去にはアレックス・ロドリゲス、C・C・サバシアら大物選手と次々に大型契約を締結。日本人では松井秀喜をはじめ、3年前にはポスティングシステムを利用した田中将大を獲得した。ヤ軍の日本人情報は、紀田彰一アジア地区担当スカウトが幹部に報告しており、田中獲得の際も来日して直接視察することはなかった。同氏が足を運ぶことは異例中の異例だ。

 鎌ケ谷まで電撃訪問したレンジャーズ、メジャー通算204勝のOB、ハーシュハイザー氏を連れ立って視察したドジャースなど、各球団が「大谷詣で」を続ける中、ヤンキースも編成トップの参戦で情勢を一気に動かしてきた。

 大谷は今オフのポスティング移籍を、球団から容認されている。今季は右足首痛と左太もも裏肉離れの影響で満足いくシーズンは送れていないが、8月は月間打率3割8分9厘と調子を上げてきた。投手としても、31日の同戦が約1カ月半ぶり、今季2度目のマウンド。この日、仙台から旭川へ移動した大谷は、今日からのソフトバンク3連戦へ向け「1位と5位ですし、向かっていく気持ちでいきたい。勝ちが続いているので、勢いにのっていきたいです」と見据えた。シーズンが佳境を迎え、周囲の“狂騒曲”は過熱の一途をたどる。31日当日はヤンキースのほかにも、メジャー10球団以上が視察に訪れる見込みだが、まずはプレーで、多くのファンと関係者を魅了する。