大谷忖度ある!? 「日本人選手のいない球団」有力

大谷翔平(17年11月撮影)

 【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)1日(日本時間2日)=四竈衛、斎藤庸裕通信員】本命不在の大混戦へ-。メジャー移籍を目指す日本ハム大谷翔平投手(23)が、日本人の現役メジャーが所属しない球団を選択する可能性が浮上してきた。現地報道などによると、各球団首脳らは大谷の意向を把握。ヤンキース、ドジャースなどが有力視される一方で、大谷自身にとって最良の環境が最大のポイントとしてクローズアップされてきた。この日、日本ハムはポスティング申請を行い、交渉が解禁された。

 新ポスティング制度が発効され、正式に交渉解禁となったこの日、米国内では大谷の話題がさらにヒートアップした。全30球団の参戦も予想される中、MLB公式HPのコラムニスト、J・モロシ記者は、複数の球団首脳の話として「彼らは、大谷が日本人スター選手が所属しない球団と契約したいと思っている」と新たな可能性を指摘した。契約金の上限が定められる大谷の場合、年俸などの条件面以上に「二刀流」を実現できる状況を望んでおり、各球団の人気度だけでは判断できない。

 さらに、ダルビッシュをはじめ、他のFA選手への影響を考慮して早期決着を望んでいるように、大谷の「気遣い」は、米球界でも知られている。というのも、日本人メジャーが所属する球団に入団した場合、春季キャンプから「大谷狂騒曲」が始まることは確実で、同僚となる日本人メジャーには調整に集中しづらい環境をもたらし、結果的に迷惑をかけてしまいかねない。同記者の指摘は、長期にわたって大谷をチェックしてきた各球団のスカウト陣の見解とも一致。となると、ヤンキース、ドジャース、マリナーズなど、日本人メジャーが所属する「本命組」も、決して楽観視できる状況ではない。

 交渉が解禁されたこの日もロサンゼルス市内の代理人事務所や、メジャー球団が身体検査に利用する病院前に報道陣が詰め掛けたが、大谷が姿を現すことはなかった。前日に続き、代理人ネズ・バレロ氏らと情報交換を行いつつ、週明けにも予定される各球団との交渉への準備を進めているとみられる。最終的に、どの球団を選ぶのか-。決断の日は、着々と近づいてきた。

<日本人選手の来季(順不同)>

 ◆田中将大(29) ヤンキースとの契約を解除する権利を今オフ保持していたが、権利を行使せず来季から3年間残留が決定。

 ◆ダルビッシュ有(31) ドジャースからFA。ツインズとカージナルスが熱心に獲得に動いているとの報道がある。

 ◆上原浩治(42) カブスからFAとなり、自身は来季もメジャーで現役続行を希望。獲得に動いている球団のうわさはまだ出ていない。

 ◆岩隈久志(36) マリナーズと11月にマイナー契約を結び残留。右肩手術のため、メジャーに復帰できるのは来年5月下旬以降の見通し。

 ◆前田健太(29) ドジャースと16年から8年契約を結んでおり、来季はド軍3年目。

 ◆田沢純一(31) マーリンズと17年から2年契約を結んでおり、来季も残留の見通し。

 ◆イチロー(44) マーリンズからFAとなり来季は未定。

 ◆青木宣親(35) メッツからFAとなり来季は未定。