ダルビッシュ獲得へカブス本気 29億円 背番11

10月、カブスとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第3戦で、押し出しの四球を選んだダルビッシュ有

 【オーランド(米フロリダ州)14日(日本時間15日)=四竈衛】ドジャースからFA(フリーエージェント)となったダルビッシュ有投手(31)の移籍先の有力候補として、昨年世界一のカブスが急浮上した。ツインズ、アストロズなどが強い興味を示す中、資金力が豊富な強豪球団が本格参戦。年内決着へ向けて、激しい攻防が繰り広げられる展開となってきた。

 4日間にわたるウインターミーティングの最終日。水面下でダルビッシュを巡る動きが、急激に加速化し始めていた。これまではツインズやアストロズが、獲得意思を明言。有力候補とみられていた。その一方で、着々と狙いを定めていたのが、カブスだった。

 アリエッタ、ラッキーが退団し、先発補強を進めるカ軍は、すでに今季8勝のチャットウッド(ロッキーズFA)を獲得。レイズ時代からマドン監督、ヒッキー新投手コーチと親交が深く、昨季12勝を挙げたアレックス・コブ(30=レイズFA)と契約間近とも伝えられた。ところが、今回のWミーティング期間でコブとの交渉が難航。メジャー関係者が「カブスはコブではなく、ダルビッシュ獲得を検討し始めたようだ」と話すなど、方向を転換してダルビッシュ側に猛烈なアプローチを開始した。

 カ軍本格参戦となると、状況は一変し、最有力候補として浮上する。同ミーティング中、ダルビッシュの代理人ジョエル・ウルフ氏は、ワールドシリーズを狙えるチーム力、フロントや首脳陣の方針などを移籍条件として挙げた。カ軍は3年連続でプレーオフに進出し、昨季は世界一。フロントトップにはレッドソックス時代に松坂大輔を獲得した敏腕エプスタイン社長、人格者かつ知将として知られるマドン監督が陣頭指揮を執っており、環境は申し分ない。資金力が潤沢で単年2500万ドル(約28億8000万円)、5~6年の複数年契約が見込まれる条件面でも他球団より圧倒的な優位に立てる。背番号「11」も空き番号と、好条件がめじろ押しだ。

 古巣レンジャーズ、ドジャースなども興味を示しており、現在は混沌(こんとん)とした状態。もっとも、カ軍が本気となれば、他球団は太刀打ちできない可能性が高い。年内決着へ向けて、ダルビッシュの周囲が一気に慌ただしくなりそうな気配になってきた。

 ◆カブス先発ローテ エースはこの3年間で43勝25敗左腕のレスターだが、今季は防御率4・33と数字を大幅に落とした。2、3番手は今季右手を痛め24試合の登板にとどまった27歳右腕ヘンドリクス、昨季途中に移籍し7勝3敗と好投した28歳左腕キンタナ。今オフには昨季自己最多の12勝をマークしたチャットウッドを3年契約で獲得し、ローテ4人はこれでほぼ確定している。

<ダル獲得に動く他球団>

 ▼ツインズ

先発エースを補強したい球団が積極的に獲得に動いておりモリター監督も「進展を待っている」とラブコール発言。

 ▼レンジャーズ

テキサスの自宅を気に入っており再契約の可能性が残ると地元メディア。ダニエルズGMも「彼と球団は良好な関係」

 ▼ドジャース

再契約の可能性は低いとされているがザイディGMがダルビッシュ側と「頻繁に連絡を取り合っている」と明かす。

 ▼アストロズ

敏腕野球記者のローゼンタール氏がア軍が興味を示していると伝えるなど、複数のメディアが可能性を指摘。

 ▼カージナルス

先発エースの獲得を目指しており、一部の米メディアが「ダルビッシュかアリエッタの獲得に動いている」と伝えた。ている」と伝えた。