イチロー 6球団接触中も日本復帰はあるのか?

17年12月、イチロー杯争奪学童軟式野球大会の閉会式に出席したイチロー

 メジャー公式サイトは16日(日本時間17日)、マーリンズからFAとなったイチロー外野手(44)が今季、日本球界に復帰する可能性があると報じた。あくまでメジャー球団からオファーがない場合だが、代理人のジョン・ボッグス氏が示唆したという。過去に例がないほど動きが遅い移籍市場の中、イチローはメジャー18年目の新天地を見つけることができるのか。00年以来となる日本復帰はあるのだろうか。

 「イチローが日本球界に復帰するかもしれない」。メジャー公式サイトの古株記者バリー・ブルーム氏が、インパクトのある記事を書いた。イチローの代理人ボッグス氏が、大リーグからのオファーがなければ選手生活の最後に日本でプレーするかもしれない、と示唆したという。「それ(日本球界復帰)については本当に考えたくない」と言い、「彼が(メジャーの)どの球団にとっても素晴らしい財産になるということに、誰かが気づいてくれるという期待を持ち続けている」と続けたという。

 昨季は、代打で球団記録となる27安打を放つなど一定の存在感は示したイチローだが、マーリンズはシーズン後に18年の契約更新オプション(1年200万ドル=約2億3000万円)の行使を見送った。その後、ボッグス氏がマリナーズ、パドレスと交渉を行ったが不調に終わったという。

 ボッグス氏は「当初はマリナーズがイチローを呼び戻してくれると思っていた。でも多くの外野手がまだ残っているということを私も理解している」とし、「我々は今、待っているところだ。ずっと『連絡するから』と言われ続けている。6球団くらいから」と、数球団とは連絡を取り続けていることを明かした。

 現時点でイチローの日本復帰が現実的かと言われれば、そうではない。米国の移籍市場では、各球団はレギュラー選手から順番に契約を結ぶ。メジャー通算3080安打を誇り、将来の殿堂入りが有力視されるイチローであっても、代打および守備固め要員というのが現在の立ち位置。J・D・マルティネス(ダイヤモンドバックスFA)ケイン(ロイヤルズFA)ゴンザレス(ロッキーズFA)ら有力外野手が残っている状況では、イチローの契約にまで話が回ってこないのが実情だ。

 「6球団くらい」との接触が続いているというイチローが、各球団のキャンプが始まる2月中旬以降に所属先が決まるチャンスは十分にある。

 ◆代理人ボッグス氏とは 14年からイチローの代理人を務める。86年に代理人事務所JBAスポーツ社を設立。07年に殿堂入りしたトニー・グウィン氏の代理人を務めた。主な高額契約は11年のエイドリアン・ゴンザレス内野手(当時レッドソックス)の7年1億5400万ドル(約177億円)、12年のコール・ハメルズ投手(当時フィリーズ)の6年1億4400万ドル(約166億円)など。ダイヤモンドバックスに移籍した平野の代理人も務める。

 ◆メジャー公式サイト 1995年に開設された大リーグの公式ホームページ。各球団の情報やニュースが読める他に、課金制で全球団の試合をストリーミング視聴することができる。記者は、各球団をカバーする担当と、全球団を網羅して自分の書きたいテーマについて書くコラムニストがおり、イチローの記事を執筆したブルーム記者は後者。公式サイトとはいえ、所属する記者が新聞など他メディアの記者に比べて優遇されているわけではなく、間違った情報が流れる場合もある。