イチローも参加検討中 未契約選手合同キャンプ

IMGアカデミーにある野球場。練習場とフルサイズの球場が複数ある

 大リーグ選手会が未契約のフリーエージェント(FA)選手に対する救済策として開催する「合同自主キャンプ」に、イチロー外野手(44=マーリンズFA)が参加する可能性が浮上してきた。FA市場が停滞する中、14日(日本時間15日)からフロリダ州内で選手会による「キャンプ」がスタートする予定。新天地を探すイチローも参加を検討中で、メジャー18年目へ向けたキッカケとなりそうだ。

 日米両球界で数々の実績を残してきたイチローが、異例の形で「キャンプイン」を迎えることが、確実となった。メジャーのオフ市場が停滞し、依然として100人以上のFA選手が未契約という異例事態の中、選手会主導による未契約選手対象の「合同自主キャンプ」が米フロリダ州内で実施されることが決定。昨季終了後、マーリンズからFAとなり、移籍先が定まらないイチローも、同キャンプへの参加を検討していることが分かった。

 現在、帰国中のイチローは、古巣オリックスの本拠地・神戸で自主トレを継続しているものの、今後は実戦形式へ移行する段階を迎える。プロ入り以来、「スロースターター」の傾向があるだけに、調整遅れを避けるうえでも、米国内の温暖な地で他の選手と一緒に全体練習をこなす意義は少なくない。しかも、「合同キャンプ」が行われる同地には、補強途上の各球団スカウト陣が常時視察に訪れることは確実。ルーティンが確立されているイチローにとっては不慣れな環境となる一方で、より実戦に近い練習が可能となるだけでなく、健在ぶりをアピールするうえでも、プラス材料は多い。

 選手会によると、大手マネジメント会社「IMG」が所有する同州内の施設を使用し、アストロズで監督経験があるボー・ポーター氏が指導者として参加。当面は3月4日までの期間を予定する一方で、各選手の契約過程次第では、延長する可能性もある。選手会側は、交通費、宿泊費、食事補助など経済的なサポートの準備も進めており、長期化する可能性を含め、妥協する姿勢は見せていない。

 現段階で、イチローの先行きが不透明であることに変わりはない。今後、一両日中にも、イチローとの間で「合同キャンプ」への参加意思が確認されることになりそうだ。

 ◆未契約の大物FA選手 ダルビッシュの他、昨季45本塁打を記録したJ・D・マルティネス(ダイヤモンドバックスFA)、15年サイ・ヤング賞受賞の先発右腕アリエッタ(カブスFA)、ゴールドグラブ賞4度受賞の一塁手ホスマー(ロイヤルズFA)らがおり、いずれも100億円超えの大型契約が見込まれている。