大谷翔平「ポジティブ」が鍵/記者の体験した米国

エンゼルス対インディアンス 1回裏エンゼルス2死二、三塁、右中間にメジャー初本塁打を放つエンゼルス大谷(撮影・菅敏)

 いきなり歴史的な1発を放った。エンゼルス大谷翔平投手(23)が、インディアンス戦に「8番指名打者(DH)」で出場し、本拠地初打席でメジャー1号を放った。勝ち越した直後の1回2死二、三塁から右中間スタンドへ3ランをたたき込んだ。1日(同2日)に投手としてメジャー初勝利を挙げ、その2日以内に打者で本塁打を放ったのは、1921年のベーブ・ルース(ヤンキース)以来という。米国ファンも驚かせる快挙を、愛らしい笑顔の残る青年が、やってのけた。

<記者の体験した米国>

 失敗が続いても、常にポジティブに-。大谷の姿は、米国で挑戦し、成功するための重要な要素の1つだと言える。記者は30歳を過ぎて、アメリカの大学院でスポーツビジネスを学ぶことに挑戦した。環境に慣れるまでに時間がかかり、クラスメートととけ込むにも苦労した。最初の数カ月、言葉が通じず、クラスメートとの距離は縮まらない。1人になることも多かった。それが最大の悩みだった。

 トラウトの意見で印象に残っていることがある。「もし、クラブハウスに入るのが怖くて、誰とも話さなければ、そういう(ネガティブな)ものがグラウンドでも出てしまう。でも翔平はいつもみんなを楽しませている」。記者の場合、留学期間の数カ月は教室に参加すること自体に消極的になっていた。そんな時、意を決して、無理やりにでもポジティブに振る舞った。すると次第に多くのクラスメートが話しかけ、助けてくれるようになった。たとえ失敗しても、常に明るく前向きでいる。トラウトの言葉と大谷の行動に、米国で生き抜くヒントがある。【斎藤庸裕】