大谷が週間MVP コーチも感銘 野球への取り組み

背の高さでスカッグス(手前)に勝ったエンゼルス大谷は、ドヤ顔でガッツポーズを見せる(撮影・菅敏)

 【アーリントン(米テキサス州)9日(日本時間10日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が、日本人では最年少、最速でア・リーグの週間MVPを獲得した。米大リーグ機構が発表した。大谷は打者として打率4割6分2厘、3本塁打、7打点。投手でも8日(同9日)に7回1安打無失点、12奪三振で2勝目を挙げていた。1975年に「Player of the Week」が作られて以降、二刀流選手としては初めて選出された。

 感謝、感謝のMVP獲得だ。圧倒的な投球でメジャー2勝目を挙げた翌日、大谷にまた新たな栄誉が与えられた。2~8日の1週間で打者として3戦連発、投手としても7回1安打12奪三振でメジャー2勝目を挙げ、75年以降、二刀流選手としては初めて週間MVPを獲得。この日は休養日だった大谷は「プレーヤー・オブ・ザ・ウイークに選ばれて光栄です。支えてくれた球団スタッフとチームメートに御礼を申し上げます」と球団を通じてコメントした。

 マリナーズ・イチローでさえ初受賞は4年目。異例のスピード受賞となった。大谷と二人三脚で調整を続けてきたナギー投手コーチは「非常に価値のあること。開幕してまだ12日でしょう? 驚きだよ」と目を丸くしたが、日本人メジャー最速受賞はチーム全体からサポートがあったからこそのものだ。

 首脳陣と大谷で一致していた調整法は一貫して「米国の環境に慣れること」。同投手コーチから技術的なアドバイスを送られることはほとんどなく「投げやすいよう、良い感覚でやってもらう」ことが最優先だった。大谷の能力を信じ、ストレスを与えずに自主性を重んじられてきた。もっとも、同コーチは「彼の取り組み方に感銘を受けた」と言う。前回登板で指に息を吹きかけてボールをつかみやすくするなど、自分で工夫する姿に感心するばかりだった。

 この日、大谷は登板翌日のため全体練習には参加せず。今日10日(11日)のレンジャーズ戦に打者として出場する可能性に備えた。対戦相手は左腕ペレスで、オープン戦では2打数無安打。キャンプで苦戦した左投手相手には途中出場の可能性もあるが、ソーシア監督は「マッチアップ(相性)を考える段階ではない」と出場させる可能性が高い。4試合連続本塁打がかかる一戦。まだまだ続く記録ラッシュに目が離せない。

 ◆日本選手の受賞 過去に週間MVPを受賞した日本人は野茂英雄、松井秀喜、佐々木主浩、イチロー、岩隈久志、松坂大輔の6人で、これまでの最年少受賞は、07年5月20日、レッドソックス松坂の26歳8カ月と7日だった。最多受賞はイチローの5度、次が野茂の4度。最も最近の受賞はマーリンズ・イチローの16年8月7日だった。