大谷11打点で同僚トラウトに並び1差リーグ3位

ロイヤルズ対エンゼルス 7回表エンゼルス2死満塁、右中間へ走者一掃の適時三塁打を放つ大谷(撮影・菅敏)

 エンゼルス大谷翔平投手(23)が、初三塁打&初敬遠を披露した。ロイヤルズ戦に「8番DH」で出場し、4打数1安打3打点。6回2死二塁からは初めて申告敬遠で出塁。7回2死満塁では、走者一掃の3点適時三塁打を放った。チームはメジャー30球団トップの11勝(3敗)目を挙げ、ア・リーグ西地区首位を快走。14試合消化の時点では79年以来、39年ぶりのロケットスタートを、大谷の初づくしの活躍が支えている。

 大谷がケリをつけた。3点リードした7回の第4打席、2死満塁。「ゲームを決める上では重要なところだった」と集中した。カウント1ボール2ストライクからの4球目。3番手マウアーの156キロの内角高めの直球を力強く引っ張った。右中間を真っ二つ。「抜けたので、三塁はいける」。一塁ベースを回り、一気に加速した。悠々と三塁に到達し、メジャー初の三塁打。勝利を決定づける走者一掃3点適時打だった。

 鋭くスイングして右中間を破ると、大きなストライドでダイヤモンドを駆け回った。最短距離でベースを回る。昨年10月に右足首を手術したとは思えない快走ぶりに、ソーシア監督も「(足は)オッケーだ」とうなずいた。大谷は「追加点を取れるように、と思った。なんとか打てて良かった。難しいコースだったが、良いところに飛んだ。下位打線の役割を果たしたい」と、殊勲打を振り返った。

 前の打席では初めて、昨年からメジャーで導入された申告敬遠も経験した。6回2死二塁。打席に立とうとすると、審判から敬遠と告げられた。「全く頭になかったので、最初、何言われているか分からなくて、『Walk、Walk(四球)』って言われたので、あ、敬遠なんだな」と、初々しく振り返った。次打者9番マルドナドと比較した結果とはいえ、警戒された証しでもある。

 5連勝で首位を走るチームの勢いそのままに、打って走って躍動した。14試合消化の時点で11勝3敗は、チーム39年ぶりの開幕ダッシュだ。「登板する機会もあれば打席に向かう機会もあるので、なんとか波に乗って、結果を出せるように頑張りたい」と謙虚に話したが、大谷の二刀流での活躍が、間違いなくチームの快進撃を後押ししている。【斎藤庸裕】

 ◆大谷の満塁チャンス 今季は6日アスレチックス戦の押し出し四球に次ぎ、2打席で4打点。日本では通算30打席で25打数4安打(打率1割6分)と苦手にしており、走者一掃は13年7月7日オリックス戦の3回2死、左中間へ二塁打を放った1度だった。

 ◆日本での三塁打 大谷の三塁打は16年7月29日にサファテ(ソフトバンク)から放つなど通算4本。敬遠は1番・投手で先頭打者本塁打を放った16年7月3日ソフトバンク戦の5打席目など、公式戦で3度ある。