大谷「活躍できる準備を」マー君と打者で対戦へ

8回、スタンドでキスするファンを背にネクストバッターズサークルで準備をするエンゼルス大谷(撮影・菅敏)

<ブルージェイズ1-8エンゼルス>◇24日(日本時間25日)◇ロジャーズセンター

 大谷VSマー君は、打者対投手で-。27日(日本時間28日午前2時5分)に予定されていたエンゼルス大谷翔平投手(23)とヤンキース田中将大投手(29)の13年以来の投げ合いが、持ち越しとなった。4勝目を挙げた前回20日(同21日)のレイズ戦はメジャー最多110球の力投。体の負担を考慮され、登板間隔を空けることになった。それでも打者として田中と対戦する可能性が高く、メジャー初対決に注目が集まる。この日のブルージェイズ戦は「5番DH」で出場。3打数2安打で8試合ぶりにマルチ安打をマークした。

 ニューヨークでの一大イベントは終わっちゃいない。大谷は田中との対決へ、打者として準備する。ヤンキース戦登板の延期がソーシア監督から明かされ、投げ合いは持ち越しになったが、大谷はすでに、次なる戦いを見据えていた。

 「どっちみちバッターでは出ると思うので。打席には立つと思いますし、そういう意味ではどちらでも、やる機会はあると思う。マウンドでもこの先またチャンスはあると思うので、その時までにしっかり自分のピッチングができるように、準備をしっかりしたい」

 体への負担を考慮した監督やエプラーGMら首脳陣の意向で、登板間隔をいつも以上に空けることになった。前回20日(同21日)のレイズ戦はメジャー最多の110球、8回2死まで投げた。登板2日後の試合前練習はノースロー。通常の中6日なら軽めのブルペンに入る3日後も、キャッチボールのみだった。疲労を懸念する報道陣を制すかのように、大谷は自らの状態を「特に何も悪くない。球数が多かったからだと思っているので、今まで通り、次の登板にしっかり合わせたい」と冷静に話した。

 ソーシア監督は次回の登板日を「まだ決めていない」と明言していないが、最短でも29日(同30日)以降になるとみられる。大谷は24日(同25日)もブルペン入りを控えた。通常の調整法なら、登板2日前と4日前に2度ブルペン入りするため、1日だけスライドする28日(同29日)の登板は考えにくい。登板の前後1日は欠場するが、これなら田中の登板日には打者出場が可能だ。

 打者として試合に出場していく予定は変わりない。ブルージェイズ戦は「5番DH」で3打数2安打。2本の二塁打を放ち、8試合ぶりにマルチ安打をマークした。打撃の状態を上げながら、田中との対戦に臨むことができる。「いけと言われたときに、しっかり活躍できる準備をできればいいかなと思います」。4月28日(同29日)にも本拠地アナハイムで直接対決の可能性はあったが、左足首の捻挫でかなわなかった。舞台をニューヨークに移し、今度こそメジャー初対決が実現しそうだ。【斎藤庸裕】

 ◆エンゼルスの先発ローテ 5人で回すメジャーの一般的なローテと違い6人態勢だが、必ずしも6人が順番で登板するのではなく、複雑に順番を変えながら回っている。大谷が中6日でほぼ固定される一方、ローテの柱であるリチャーズ、スカッグス、ヒーニーは中4日や5日で回ることもあり、それによって長期間出番がなくなる投手はいったんマイナーへ送る。制約なくマイナーに落とせる若手のバリア、トロピアーノがその対象だ。大谷が次回登板するまでは5人で回すものとみられる。