大谷左腕から22打席ぶり安打 前半ラストスパート

エンゼルス対マリナーズ 8回裏エンゼルス2死二塁、左へ適時打を放つエンゼルス大谷(撮影・菅敏)

<エンゼルス9-3マリナーズ>◇10日(日本時間11日)◇エンゼルスタジアム

 エンゼルス大谷翔平投手(24)が、22打席ぶりに左腕から安打を放った。マリナーズ戦に「6番指名打者(DH)」で出場。8回の第5打席、2死二塁で左腕エリアスから左前適時打を放った。苦手としていた左腕からは5月18日(同19日)のレイズ戦以来の安打で、適時打は4月12日(同18日)のロイヤルズ戦以来、約3カ月ぶり。自打球の影響で右膝は万全ではないが、打撃は上昇気流に乗ってきた。

 見せ場は最後にやってきた。8回2死二塁、大谷は左腕エリアスの94・4マイル(約151・9キロ)の外角球を完璧にはじき返した。左腕から22打席ぶりに放った安打は、チームにとっては9点目となるダメ押しの左前適時打。「(打席が)回ってこないよりは回ってきた方が自分にとっても良い。きっちりかえせてよかった」。2死から5番プホルスが二塁打でつなげてくれた打席で、しっかりチャンスをものにした。

 4月12日のロイヤルズ戦で左腕からメジャー初安打初打点をマークして以降、約3カ月も打点がなかった。苦手意識については「(球の)見え方はそんなに変わっていない」と話したが、一方では「打っていかないと、打席に立たせてもらえない」と危機感もあった。対左腕では打率1割4分3厘と分が悪く、左腕の先発時はスタメンから外れることも多い。それでも、エリアスとは2度目の対戦。「2回目、3回目の方が(球の)軌道も分かる。この前の打席が生きている」。1週間前の対戦で得たイメージが攻略につながった。

 自打球を当てた右膝の状態も、日に日に良くなっている。4回の第3打席では二ゴロで全力疾走。失策を誘い二塁へ進塁した。直後、キンズラーの左前打でホームへ大きなストライドで走った。チーム休養日の9日(同10日)もアイシングや超音波治療を行い、試合へ備えた。「だいぶ良くなってます。プレー中は気にしてもいられないので。しっかり次の塁へ進めるように、走りたい」と、大谷自身も復調を感じている。前半戦は残り5試合。上昇気流に乗り、ラストスパートをかける。【斎藤庸裕】

 ◆大谷の今季ここまでの対左投手成績は、この日の安打を含め35打数5安打で0本塁打、打率は1割4分3厘。対右の100打数32安打、打率3割2分と比べると率は約2割違う。ただし今のところ最も多く対戦した左投手はレンジャーズのハメルズ、マリナーズのルブラン、ブルージェイズのハップ、レッドソックスのロドリゲス、レイズのスネルでいずれも3打席(無安打)のみ。その他の左腕とは2打席までしか対戦しておらず、サンプル数は少ない。この日対戦した左腕エリアスとは2度目の顔合わせで、対戦成績2打数1安打とした。