大谷 水原通訳と二人三脚で復帰ロードを走り抜いた

MLBネットワークのテレビインタビューに応え、水原通訳(右)とおどけるエンゼルス大谷(エンゼルス球団広報提供)

<SHOHEI IS BACK>

打者復帰が近づき始めた4月中旬、エンゼルス大谷翔平投手は苦笑いで打ち明けた。「寂しがり屋じゃないかなと思います」。米メディアから「1人で打っていた時は寂しかったか」と問われた時だった。フリー打撃公開前までは別メニューで調整。チームの遠征中、静けさの残るエンゼルスタジアムで黙々とリハビリを進めてきた。

頼りになる存在がいた。日本ハム時代からの仲間、水原通訳と多くの時間を過ごした。同通訳は「第一は、翔平が野球に集中してもらえるような環境を整える。まずはそこですね。普段の時は、ゲームも一緒にしますし、友達感覚というか、そんな感じ」。スマホの携帯格闘ゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」などで遊んだり、ジョークを言い合ったり、常に自然体の2人。リハビリ中も和やかな雰囲気が周囲に漂っていた。

昨年11月、新人王を獲得した際、大谷が感謝を示すかのように左手で水原通訳の右腕を上げ、2人でポーズをとった。同通訳は「支えているっていうか、どうなんですかね」と首をかしげるが、大谷にとっては通訳以上の、縁の下の力持ちのような存在。2人を見守ってきたクラブハウス管理人のエンゼル氏も「(水原)一平が、翔平をすごく助けてくれている。だから精神的にも良い状態だったと思う」と明かした。

キャンプ中、ボールを使えない時期に室内調整が続いた時も大谷のそばには、常に同通訳がいた。米国のエ軍ファンからも“一平人気”は高く、球団のインスタグラムに登場することもある。チーム広報が「すごく良いコンビ」と評する2人。打者復帰までの長期ロードを二人三脚で走り抜いた。【斎藤庸裕】