<MLB in Europe(1)>
欧州初のメジャー公式戦、レッドソックス-ヤンキース戦が29日(日本時間30日)から英ロンドンで開催される。第1戦のヤンキース先発は田中将大投手(30)。24年パリオリンピック(五輪)の実施競技候補から落選するなど、野球とのなじみが薄い印象の欧州球界の現状とは? さまざまな視点からひもときながら、全5回でお届けする。
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欧州野球の発祥については諸説あるが、最近、英国ロンドン市長らが興味深い発表をした。1749年9月12日ロンドンの高級住宅街サリーのアシュレー・パークで「記録に残る世界最初の野球試合」が行われたとして、モニュメントを建立するという。
サッカー、テニスなどが人気の欧州だが、英国では野球の原点といわれるクリケットの競技人口も多い。また今回の欧州初のメジャー公式戦開催を受け、パリの旅行会社がロンドンへの観戦ツアーを組むなど、将来的なビジネス展開を探る向きもある。
そんな動きがある中でも、24年パリ五輪の実施競技候補から野球は落選した。野球・ソフトボール実施に備え試合会場のイメージ図も出来上がっていたが、実現化することはなかった。
89年からフランス代表監督を7シーズン務めた吉田義男(85=元阪神監督)は「決してヨーロッパに野球が根付いていないわけではない」と言う。指揮を執った7年間で約30カ国・地域で行われた試合に参加。96年アトランタ五輪の出場権をかけた欧州選手権では8チーム中5位に終わり夢は成就しなかったが「当初は日本の高校野球レベルまでもいかなかったが、今ではノンプロと互角に戦えるぐらいまで成長した」と話す。
現在フランスでは、隔年メドで吉田の功績をたたえた「フランス国際野球大会 吉田チャレンジ」が開催されている。14年の第1回大会はフランス、ベルギー、オランダ、日本が参加。20年東京五輪の野球・ソフトボール競技復活に向けた普及の一環として行われ、日本チームは同年の都市対抗野球で優勝した西濃運輸が派遣された。
決勝は強豪オランダがフランスを1点差で下して優勝。フランスの監督はメジャーでサイ・ヤング賞に輝いた抑え右腕、エリック・ガニエで、予選リーグで西濃運輸を破るなど躍進をみせた。16年の第2回大会もオランダが優勝。フランス系カナダ人のガニエは「近い将来、フランスがWBCで戦えるような国に成長することを期待したい」と力を込める。
フランス語の男性の敬称、ムッシュと呼ばれる吉田は言う。「野球に国境はない。大リーグのヨーロッパ進出を次の舞台につなげてほしい」。28年ロサンゼルス五輪での野球の復活を熱望する。(敬称略=つづく)
【寺尾博和】