マー君「ヘビー級タイトルマッチ」の初戦に先発

ヤンキースとアストロズの対戦となったア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7試合制)は、12日(日本時間13日午前9時8分開始予定)からア軍の本拠地ミニッツメイドパークで開幕する。第1戦には田中将大投手(30)が先発。大舞台に強い右腕が先陣を切って「ヘビー級」の対決に臨む。

今季メジャー最多の107勝を挙げたア軍と、103勝のヤ軍。米国内で「ヘビー級タイトルマッチ」と呼ばれる今シリーズの初戦先発を任された田中は終始、落ち着いた表情で抱負を語った。登板を告げられたのは、この日午前、地元ニューヨークを飛び立つ直前だった。「今季一番勝ったチーム。自分にとっては大きなチャレンジになる登板だと思う。そういうところを乗り越えて勝利をつかみ取ることができればと思います」。

同じ組み合わせとなった17年のALCSでは、ヤ軍が先に王手をかけながら最後に連敗。あと1歩のところでワールドシリーズ出場を逃した。結果的に、両軍とも本拠地で全勝する「内弁慶シリーズ」だっただけに、今回は敵地で勝つことが重要となる。「逆にそこをゲーム1(第1戦)で取ることができたら、また勢いに乗れるんじゃないかと思う」。敵地のスタンドを沈黙させれば、シリーズの流れは手繰り寄せられる。そのためにも、先発田中の役割は極めて大きい。

田中はア軍戦で過去0勝2敗、防御率6・62と数字こそ良くないものの、今季は2試合に登板し、6回1失点、6回2失点(いずれも勝敗なし)と好投。17年第5戦では、7回無失点で勝利投手になった。5日の地区シリーズ第2戦まで、ポストシーズン通算4勝2敗、防御率1・54と、米国内でも「ビッグゲーム・ピッチャー」として認められる存在となった。

ア軍のチームカラー、オレンジ一色の染まる敵地のマウンド。「そういう状況、雰囲気の中でも、自分らしく、自分の投球をすることにフォーカスしていけば大丈夫だと思います」。大舞台に強い男の言葉は、いつも以上に力強かった。【四竈衛】

◆ヤンキース・ブーン監督(田中の初戦起用ついて)「いい決断だと感じたからだ。地区シリーズと似たようにタフで、何度も行ったり来たり考えた。ただ、最終的には、ここの初戦ではマサ(田中)で感じた」