米大リーグ（MLB）のインディアンスが、メジャー開幕に向けて7月1日を照準に準備を進めるよう選手に伝えたことを6日（日本時間7日）、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」が報じた。日程は変更の可能性があるとした上で、準備の必要性を強調したという。メジャーは6月にキャンプを再開し、7月初旬にリーグ開幕を目指す案が伝えられている。

ESPNやニューヨーク・ポスト電子版などによれば、MLBは選手会に対して、今後1週間以内に具体的な開催案を提示する見込み。ESPNの報道では、既に少なくとも12球団以上のGMや監督が、選手に調整の段階を上げるよう通達。イ軍のように具体的な日程を伝えた球団もあれば、大まかな見通しだけを伝えた球団もあるとした。

一方でニューヨーク・ポスト電子版は、新型コロナウイルスの感染者数や死亡者数が依然として増えていることなど、問題点が多いことを指摘。健康面のリスクや給料の支払いなど、MLBと選手会の間で解決すべき課題も多く残っている。ただ、7月初旬の開幕を目指すのであれば、今話し合うべきだとしている。

 

◆MLBのこれまで　3月12日にオープン戦中止を決定し、3月26日の予定だった開幕を少なくとも2週間、遅らせることを発表。事態の悪化に伴い延期が続いた。さまざまな報道が飛び交う中、AP通信などが4月28日、遅くとも7月2日の開幕を目指していると報道。翌29日、トランプ大統領が「ヤンキースの試合をヤンキースタジアムで観たい。選手はヤンキースタジアムで、少ないが観衆の前でプレーできると思う」と発言した。昨季はナショナルズがワールドシリーズ制覇。MVPはア・リーグがマイク・トラウト外野手（エンゼルス）、ナ・リーグはコーディ・ベリンジャー外野手（ドジャース）。

 

◆新型コロナウイルスに関連したMLBとアメリカのこれまで　

3月9日　メディアによるクラブハウスの出入りを制限することを発表。翌日の10日から適用

3月12日　オープン戦の中止を決定し、3月26日の予定だった開幕を少なくとも2週間、遅らせることを発表

3月13日　アリゾナ、フロリダの2州ともにキャンプ中断を決定

3月15日　米疾病対策センター（CDC）が、今後8週間に渡って50人以上が集まるイベントの自粛と延期を要請

3月16日　MLBがCDCの要請を受けて開幕の再延期を発表。開幕は早くても5月中旬に

4月4日　トランプ大統領がMLBを含めた米スポーツ団体の代表と電話会談。8月か9月ごろにスポーツの通常再開を期待。具体的な時期の明言は避けたが、「ファンをスタジアムに入れたい」と発言

4月6日　ESPNとAP通信がメジャー30球団をアリゾナ州に集め、ダイヤモンドバックスの本拠地や他チームのキャンプ施設で公式戦を行うプランを報道。早ければ5月のキャンプ再開と開幕を目指す。試合は無観客で行う

4月7日　MLBが声明を発表。報道された案はあくまで話し合いの1つで、具体的には何も決まっていないことを強調した

4月16日　トランプ大統領が、無観客でスポーツを再開させる見通しを示す。

4月20日　米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長が、ラジオ局のインタビューで無観客でのスポーツ再開となる見通しを語った一方で、観客を入れた場合の条件についても言及

4月28日　USAトゥデーとAP通信が、MLBは6月下旬、遅くとも7月2日の開幕を目指していると報道。各チームの本拠地で無観客で開催し、プレーオフでは数千人の観客を入れることも検討していると伝えた

4月28日　ファウチ所長がニューヨーク・タイムズのインタビューで、結果がすぐに得られるウイルス検査の不足を指摘し、「選手、ファン、全ての安全が保証できなければ、（メジャーの）スポーツは今年、開催できないかもしれない」と発言

4月29日　トランプ大統領が、アリゾナ州などにチームが集まって行うメジャー開催案に疑問を投げかける。「ヤンキースの試合をヤンキースタジアムで観たい。選手はヤンキースタジアムで、少ないが観衆の前でプレーできると思う」と発言