<ブルージェイズ9-1レッドソックス>◇26日(日本時間27日)◇セーレンフィールド
ブルージェイズ山口俊投手(33)がメジャー初勝利を挙げ、先発ローテーション入りへ大きく前進した。26日(日本時間27日)のレッドソックス戦に2-0の3回から2番手で登板。メジャー8試合目で最多の59球を投げ、4イニングを2安打1失点2三振に抑えた。メジャーでの勝利は日本人38人目。新型コロナウイルスの拡大で厳しい環境が続いた中、ようやく節目の白星をつかんだ。
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マウンドがぬかるんでも、山口は自分らしさを失わなかった。雨が降りしきる中、背番号1を背に59球、黙々と腕を振り、メジャーで節目の1勝を刻んだ。
「やっとチームが勝っている状況で使ってもらえるようになってきた。僕自身の通過点だと思っているので、まずはそのポジションをしっかりつかんでいく。それが一番、チームに貢献できることかなと思う」
表情は淡々も、実際は紆余(うよ)曲折の道のりだった。開幕前、コロナ禍でカナダ・トロントから本拠地変更を余儀なくされ、拠点を米国のニューヨーク州バファローに移した。「自分の状態を上げていく、アメリカの野球に対応していくというところからスタートしたんですけど、正直いろいろ、なかなか対応できずに開幕から苦労しました」と、悩む日々が続いた。
本来の自分を見失いかけた時もあった。「米国では平均球速が高い。葛藤していた自分がいた」。93マイル(約149キロ)前後の平均球速に対し、山口の直球は91マイル(約146キロ)。「球速を意識しすぎてフォームが崩れていた」と気づき、日本でのプロ14年間を見つめ直した。「フォームの見た目より、球速の体感がある。それが自分の持ち味」。無理に力を入れず、ゆったりとした腕の振りで、丁寧な制球を心掛けた。
8月は6試合で防御率1・54。デビューから2戦連続で黒星も、コツコツと信頼を積み上げてきた。「やっと自分が取り組んできたことが、結果として表れてきている」。信じた道が、ようやく開き始めた。【斎藤庸裕】