<メッツ5-8レイズ>◇23日(日本時間24日)◇シティーフィールド
レイズが、2010年以来、10年ぶり3回目の地区優勝を決めた。マジック「1」で迎えた一戦で、中盤までの競り合いから、終盤3本のアーチ攻勢で快勝した。リーグ全体でも勝率トップを走っており、盟主ヤンキースを大きく突き放す、堂々たる優勝だった。
コロナ禍の影響で、勝利の瞬間の歓喜もなければ、シャンパンファイトもない。数人の選手が持参したクラッカーを鳴らし、紙吹雪がつつましく舞った。4打数無安打1四球だった筒香嘉智外野手(28)も、チームメートと笑顔で喜びを分かち合った。7月下旬に開幕した短縮シーズン。派手さがない分、印象に残る優勝シーンだった。
毎試合のように目まぐるしくオーダーを変え、ベンチ入り28選手を巧みに起用したキャッシュ監督は、試合後、いつになく、しみじみと言った。「特別なグループ、スタッフのおかげ。簡単なことではなかった。彼らは常に一体となって、お互いにサポートし合ってきた」。
球団創設以来、6回目のポストシーズン進出だが、08年以来、ワールドシリーズには届いていない。「我々はまだやり遂げたわけではない。ポストシーズンは異なるもの。まずは第1シードを取りたい」。まずは残り3試合、そしてプレーオフ。悲願の世界一までの道のりは、まだ長い。