小泉進次郎環境相とレッズ秋山が「横須賀会談」/下

対談するレッズ秋山(左)と小泉環境相(撮影・菅敏)

小泉進次郎環境相(39)とレッズ秋山翔吾外野手(32)の「横須賀会談」最終回は、お互いの夢をテーマに未来を語った。コロナ禍で生活環境が激変した中で、何を目指していくのか。胸に秘める思いをぶつけあった。【取材・構成=斎藤庸裕、栗田成芳】

----◇----◇----

2人は2021年を勝負の年と位置付け、互いの夢を明かした。

秋山(以下、秋) 日本から出たことによって、野球選手を目指す子供たちだけじゃなく、野球を知らない子も、秋山という人間が今、世界で戦っていると知ってもらえるきっかけになったと思う。「憧れの選手は誰ですか」って聞かれた時に、名前が挙がるような選手でいたいですね。

1球、1打席の積み重ねが、その夢への道になる。

秋 それは、成績を出すということよりも難しいと思う。でも結果が出ないと、そういう選手にはなれない。最終的には、誰かにいい影響を与えられるような選手になっていたい。

進次郎氏は「夢とはちょっと違うかもしれないけど」と前置きした上で、大きな目標を口にした。

進次郎(以下、進) 菅総理がカーボン・ニュートラル宣言(※)、CO2を実質出さない社会を2050年までに作ると大きな方向性を宣言してくれた。ずっと働きかけてきて、総理の宣言まで実現できた。それをスピード感を持って実現しなければいけない次元に入ってきたんです。

言葉だけではなく、実現するための覚悟も示した。

進 時間がかかりますけど、鍵はこの5年、10年。人口が減少しても日本が豊かで、繁栄できるような、持続可能な経済と社会を作り上げる。今の子どもたちが大人になった時、それが実現出来ているかを問われる仕事をしている。2050年は30年後。それを見届けられる世代の政治家として、責任をとれないではなく、全部の責任を受け止める立場にいるわけです。

秋山の1球1打席が子どもたちの夢を紡ぐように、進次郎氏の1歩1歩が子どもたちの未来を紡ぐ。

進 来年は具体的な政策も次々に打ち込んでいく、本当に重要な1年になる。脱炭素社会の実現へ大きく前向きに動きだす、それが僕の目標です。

横須賀で白球を追った少年時代がルーツの2人。メジャーリーガー秋山の試合を進次郎氏が解説する、なんてシーンが見られたら…。それもまた、夢。

進 いつか、そういうのやってみたいね。解説じゃなくて、応援だと思うけど(笑い)

秋 ただただ、緊張する1日になると思います(笑い)

進 僕は横須賀の皆さんに、レッズに応援に行くと公言していますからね。早くコロナが終息して、野球観戦に行けたらなと。これは、来年の1つの抱負ですね。

秋 よろしくお願いします!

家族、野球、夢を語り合った「横須賀会談」。包み隠さず語り合った初対談は、未来への約束を交わして結んだ。(おわり)

(※)カーボン・ニュートラル宣言:菅総理が、臨時国会での所信表明演説の中で、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする脱炭素社会の実現を目指すとした宣言。

※対談は2020年12月20日に新型コロナウイルス感染防止策を講じて行いました。

◆秋山翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日、神奈川県横須賀市生まれ。横浜創学館-八戸大を経て10年ドラフト3位で西武入団。15年にシーズン216安打のプロ野球新記録。首位打者1度、最多安打4度。NPB通算1207試合、116本塁打、513打点、打率3割1厘。19年オフにFAでレッズ入り。メジャー1年目の今季は54試合で0本塁打、9打点、打率2割4分5厘。15年プレミア12、17年WBC日本代表。183センチ、86キロ。右投げ左打ち。

◆小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)1981年(昭56)4月14日、神奈川県横須賀市生まれ。米コロンビア大大学院修了。父小泉純一郎元首相の秘書を経て、09年衆院選で神奈川11区で初当選。19年に環境相に就任。20年に再任。兄は俳優小泉孝太郎(42)。当選4回。妻はフリーアナウンサーの滝川クリステル。20年1月に第1子となる長男が誕生。

小泉進次郎環境相とレッズ秋山が「横須賀会談」/上はこちら>>

小泉進次郎環境相とレッズ秋山が「横須賀会談」/中はこちら>>