米移籍後3年目を迎えたダイヤモンドバックス傘下のマイナーに所属する吉川峻平投手(26)が、来季への抱負などを語った。公式戦終了後は、メジャーへの登竜門と言われるアリゾナフォールリーグ(AFL=10月13日~11月20日)に参加。右肘の故障も完治し、来春のメジャーキャンプに招待される可能性も膨らんできた。【取材・構成=四竈衛】
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長髪を無造作にまとめたワイルドなスタイルの吉川は「散髪してないだけです」と笑いつつも、たくましい雰囲気を身にまとっていた。各球団の有望株が集うAFLではソルトリバーに所属し、先発ローテの一角として7試合(4先発)に登板。防御率こそ5・00に終わったが、確かな手応えと多くの収穫を得た1カ月だった。
「まずは(AFLに)呼んでもらったことに価値があるでしょうし、こういう機会が収穫というか、良かったかなと思います」
ドラフト上位組をはじめ、将来のスター候補の試合には、全30球団のGMクラスやスカウト陣が集結。吉川も「品評会」さながらの視線を浴びてマウンドに立った。
「今年は登板数、経験値としても足りなかった。抑える、抑えない、の数字も大事だと思いますけど、多少打たれても、自分のスタイルや、制球できているかとか、そういうのを見せるべきだと思ってました」
コロナ禍の昨季は、マイナーの公式戦が中止。帰国後は、孤独なトレーニングを余儀なくされた。
「キャンセルされたのは自分だけではないですし、野球界に限らず、世界中の人が苦労した年。先に目標がありましたし、1年でじっくりと体作りができると思って、ネガティブな感じじゃなかったです」
迎えた今季は、右肘の炎症のため、開幕から戦列を離れた。3カ月後、実戦に復帰。ルーキー、ハイ1A、2A、3Aと全レベルのマイナーを経験したものの、計9試合(6先発)の登板にとどまった。今季から通訳が不在で、コミュニケーションのミスで練習時間を勘違いしたこともある。それでも、弱音を吐くつもりはなかった。
「全然大丈夫じゃなかったですけど(笑い)、やるしかないですから。野球に入ってしまえば僕の仕事は球を投げることなので」
AFLに参加したことで、徐々に自分の投球スタイルも見えてきた。イメージする投手としては、カイル・ヘンドリクス(カブス)、ザック・グリンキー(アストロズFA)、日本人では岩隈久志氏(元マリナーズ)、楽天田中将大(前ヤンキース)、レンジャーズ有原航平の名前を挙げた。
「もちろん、皆さんはずっとすごい球を投げて精度も高いですけど、配球や球の使い方を参考にさせてもらっています」
今季、ナ・リーグ西地区最下位に終わり、投手陣の再建を目指すダ軍は、吉川の実戦での投球術を高評価。来春、メジャーキャンプに招待する選手の候補に挙げている。
「呼んでもらえたらうれしいですけど、クビにならず、引き続き野球ができるだけでうれしいです」
コロナ禍、故障を乗り越えた末、無事に3年目を終えた吉川は、間違いなく、たくましくなっていた。
◆吉川峻平(よしかわ・しゅんぺい)1995年(平7)1月24日生まれ、大阪・吹田市出身。関大北陽では3年夏の大阪大会16強。関大では1年春からリーグ戦出場、4年秋にリーグ優勝。パナソニック入り後、18年にダ軍とマイナー契約を交わしたことが規定違反とされ日本野球連盟から登録資格剥奪の処分を受けた。19年に渡米しマイナー(1A)で22試合登板5勝7敗、防御率3・75。昨年はコロナ禍でマイナー全試合中止で帰国。今季はマイナー9試合(6先発)に登板し0勝1敗、防御率9・97。