小泉進次郎氏とレッズ秋山 子どもの存在が頑張れる要因/横須賀会談・下

対談する小泉進次郎氏(右)とレッズ秋山(撮影・菅敏)

小泉進次郎衆議院議員(40)とレッズ秋山翔吾外野手(33)による2度目の“横須賀会談”が行われた。環境大臣から一国会議員に戻り、政府の環境政策の推進役から退いた進次郎氏と、メジャー2年目は2度の故障もあり、ふがいない結果に終わった秋山。ともに神奈川・横須賀市出身の“同志”が、それぞれの壁と向き会う中で、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷への対処法、日本の未来などについて語り合った。【取材・構成=斎藤庸裕】

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(横須賀会談・上からつづく)

あえて、情報を遮断する。とはいえ、著名人だからこそのジレンマもある。

進 自分は断ち切りたくても人がそれを許してくれない。例えば家族で外出してるとき。今は誰でも(写真を)撮れるじゃないですか。気付かれないように撮ってるつもりなんだろうけど、こっちは気づいてしまう。しかもそれが息子がいる時とかだと、本当に嫌な気持ちになる。家族を守る、そして自分を守る、これが大変な時代だなと思う。

秋 知らないところでやっている人っていうのは、知らないまま知らないところに上げて知らない人に見せて、って流れになる。その辺は、圧倒的に進次郎さんは大変だと思います。僕は気づかれていない方が大半なので。気づかれているような感じでしゃべりましたけど(笑い)。普通に電車も乗りますし。

進 誰もがメディアになれる時代だからね。自分で自分を守る術(すべ)を見つけていかないと、大変だよなって思います。

野球と政治の世界で、プロフェッショナルとして緊張感の中で戦っている。気が張る瞬間を和らげてくれるのは、家族との時間だ。

進 帰った時に「パパー」って、猛烈なダッシュで向かってきてくれる息子の存在。来月2歳でまだ話せる言葉はパパ、ママ、ワンワン。そういう感じですけど、コミュニケーションはできるんですよ。オムツ替えて「はい、ポイして」って言うとゴミ箱までちゃんと持ってく。「お風呂入るよ」って言うと、お風呂の方行く。ようやくこれが出来るようになったか、と感じる1つ1つの瞬間が、すごい大切な瞬間だと思って。

秋山はシーズン中、レッズの本拠地オハイオ州シンシナティで家族と生活を送る。

秋 2人の息子は家の中でバット振ったりしてるんですよね。上の子が幼稚園から小学校になって、下の子もそれに追いつくような感じで大きくなって、成長度合いが分かりやすくなってきた。遊んでいる時のリアクションは、もう英語の方がしやすいみたいで。会話の中に片言じゃない英語が入ってくると「あっ」って思わされる。この2年で、英語力は多分抜かれてると思うんですよ(笑い)。

そんな存在だからこそ、力にもなっている。

秋 僕よりもいろんなものを守りながら対応している妻や、アメリカの学校に放り込まれた子どもたちは、やっぱり不安だと思う。その3人が環境に順応して「今年はもうクリスマスもお正月もシンシナティで」っていう感じだったんですよ。そんな3人を見ると、逃げちゃいけないなって。いろんなものに怠りがあっちゃいけない。そういうのが日常的に漂っている感じが、頑張っていかなきゃと思う要因で、一番大きいかもしれないですね。

進 誹謗(ひぼう)中傷とかも、自分に向くものよりも、これからいかに家族に向かわせないか。妻は表に出てるから仕方ない面はあっても、息子はそうじゃない。自分の人生は、子供が出来てから「この子のための人生」っていう価値観に変わってきましたね。

進次郎氏は大臣から一国会議員という立場に戻った。試合に出ることに飢える秋山は来季、レッズとの3年契約最終年を迎える。壁と向き合いながら、どう新たな1年に臨むのか。

進 日本には、改革志向の政治が今まで以上に必要。なぜなら、世界は気候変動対策を軸に産業革命ともいうべき動きが明らかだから。世界の大競争にこれ以上乗り遅れたら、次世代の損失は計り知れない。そうならないためにも、この認識を共有できて、ともに最後まで走りきれる、そういう仲間たちと強い絆を構築しなければいけない。5期目は、そんな仲間の議員たちの活躍を応援する、そこに力をもっと入れたいと思ってます。

秋 僕の場合、大きめの分岐点が来るのは容易に予想はつくので、それに向けて、ただやるだけです。シーズン中に何か起こるのも否定出来るわけではないので。ただその時も、何か軸になるような信念というか、決断できるような材料が持てているといいなと思います。

進 来年、楽しみだね。

秋 頑張ります。本当に。

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