鈴木誠也がロックアウト解除後にも緊急渡米、有力候補球団と対面で最終交渉

広島が合同自主トレ中の屋内練習場に姿をみせた鈴木誠

広島からポスティング制度でメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手(27)が、ロックアウト(業務停止)解除後にも緊急渡米し、有力候補球団と対面で最終交渉に臨む方針を固めたことが、24日(日本時間25日)までに分かった。現時点では交渉が凍結しているものの、米球界関係者によると、鈴木誠側は3~4球団をメドに絞り込みを進めつつ準備中。最終交渉後、早期決断する見込みだ。

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昨年12月2日にロックアウトとなって以来、凍結されていた鈴木誠と各球団との本格交渉が再開する可能性が高まってきた。この日、MLBのオーナー陣と選手会が今年2回目の折衝を行い、妥結へ向けて具体的に動き始めた。依然として、今後の日程は不透明だが、鈴木誠の代理人側や当該球団は交渉再開へ向けた下準備に着手。ロックアウト解除後には、鈴木誠自身が渡米し、複数球団と対面交渉を行うプランを進めていることが明らかになった。

昨年11月23日にポスティング交渉が解禁となって以来、鈴木誠の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏を中心として、これまでに少なくとも8球団と交渉の第1ラウンドを終了。鈴木誠も愛理夫人と一緒にオンライン交渉に参加し、各球団のプレゼンテーションに耳を傾けるだけでなく、率直な質問をぶつけた。

今後は、ロックアウトが解除され次第、渡米。メジャー15球団がキャンプ地を持つアリゾナ州内で、施設見学を含めた最終交渉を行うものとみられている。複数の米球界関係者によると、鈴木誠側は第1ラウンドの交渉後、慎重に絞り込みを進めた結果、最終ラウンドには3~4球団が残る見込み。現時点では、マリナーズ、カブス、ジャイアンツ、パドレスが最終候補に残っているものとみられており、レッドソックスや第1ラウンドで出遅れたヤンキースなどフロリダにキャンプ施設を持つ球団は劣勢、との見解が大半を占めている。

これまで鈴木誠は、米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」の取材に対し「すごく迷っています。たくさんの球団が心に残っており、毎晩眠れない」と心境を明かした。最終候補の各球団は、すべて本気度十分。解除後、21日間の期間を残すとはいえ、米国現地での直接交渉再開となれば、早期決着する可能性も出てきた。

◆マリナーズ 今オフ、ディポトGMが「日本人選手抜きの開幕は考えられない」と熱烈ラブコール。昨季限りで主軸のシーガー三塁手が引退したこともあり、他選手のコンバートを想定した上で、鈴木には打線の中軸として期待。

◆カブス 昨季途中、リゾ、ブライアント、バエズら主軸打者を続々と放出して再建中。内外野ともに定位置は確定しておらず、得点源補強が不可欠で、鈴木は最優先のターゲット。

◆ジャイアンツ 昨季、地区優勝し、選手層は充実しているものの、中堅、左翼ともパワー不足。3拍子そろった鈴木獲得は常勝軍団の基盤。

◆パドレス 右翼マイヤーズをはじめ、全外野手とも平均以上のレベルでも、総合力では鈴木が上。プレーオフ常連となるためにも補強は必至。