米大リーグの公式戦開幕が、労使紛争では95年以来27年ぶりに遅れることになった。9日連続でフロリダ州ジュピターで行われた新労使協定策定を巡る労使交渉が1日(日本時間2日)に決裂。ロブ・マンフレッド・コミッショナー(63)は、31日(同4月1日)に予定されていた開幕から2カード分の中止を発表した。延期ではないため代替試合を行わず、試合数、給与を削減する方針も示した。次回交渉は3日(同4日)にニューヨークで行われる見込み。
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9日連続交渉は金銭面で決裂した。オーナー側は22年に最低年俸を70万ドル(約7700万円)、ぜいたく税の基準額を2億2000万ドル(約242億円)、年俸調停前の選手のボーナスプールを3000万ドル(約33億円)と最終案を設定。デッドラインの約1時間前に提示した。選手会はそれぞれ72万5000ドル(約7980万円)、2億3800万ドル(約262億円)、8500万ドル(約93億5000万円)を主張しており、金額差が埋まらず、全会一致で拒否を決めた。
マンフレッド・コミッショナーは会見を開き「努力はしたが、ゴールにたどり着くことはできなかった。合意できなかったのは一方の努力不足によるものではないとファンに保証したい」と話した。会見で笑顔を見せたことに、エンゼルスのロレンゼン投手が「なぜ今、何かに笑うことができるのか理解できない。衝撃的だ」とツイッターに投稿するなど波紋を呼んでいる。トニー・クラーク選手会専務理事は「プレーしない理由は簡単だ。ロックアウトは経済的な最終武器。その武器を最大の資産である選手に対して使った」と決裂理由を語った。
31日に予定されていた開幕から2カードが消滅し、機構側は公式戦91試合を削減する方針だ。ロックアウトの継続で、キャンプ開始も12日以降に延期される。契約交渉などの中断も続き、広島からポスティングした鈴木誠也外野手(27)、マリナーズFAの菊池雄星投手(30)らの処遇も宙に浮いたままとなる。開幕が15日以上遅れると、エンゼルス大谷翔平投手(27)らのFA権取得も1年遅れる可能性がある。影響は多方面に及び、1日あたり総額2050万ドル(約22億6000万円)とも試算される年俸削減が、新たな火種にもなりそうだ。
両リーグDHやポストシーズン出場球団数増加など、合意した部分は金銭面以外ばかり。ピッチクロック、守備シフト制限など新たな機構側提案も加わった。3日に交渉再開予定だが、さらなる試合減を避けるために残された時間は少ない。
○…MLBは複数の新ルールを今季からメジャーに導入するよう提案していた。USAトゥデー紙のナイチンゲール記者が伝えた。最後の2日間の交渉でオーナー側は(1)ピッチクロック(2)守備シフトの規制(3)ベースの大型化を提案。既にマイナーリーグでは(1)投球間隔を15秒に制限(2)内野手を土の部分に、二塁を挟んで左右2人ずつ置く(3)1辺約38センチ→46センチ、が昨季、試験的に導入されていた。
○…全30球団は最初の2カード中止が決まった。このままだと、球団ごとに試合減は異なる。エンゼルスなど20球団は6試合減。カブス、メッツなど5球団は5試合減だが、一方でヤンキース、ドジャースなど5球団は7試合減る。代替試合は行われないため、今後は地区優勝決定方法なども議論に上がりそうだ。
◆その他のMLB機構側の主な提案 国際ドラフトの開催。ドラフトで全体5位まで抽選(前回提案では4位まで)。各リーグ新人王投票で1、2位になった選手にはサービスタイム(登録日数)1年付与。プロスペクト(若手有望株)を開幕ロースターに入れた場合のドラフト優遇策。