<オープン戦:カブス8-5マリナーズ>◇30日(日本時間31日)◇アリゾナ州メサ
【メサ(米アリゾナ州)30日(日本時間31日)=四竈衛】カブス鈴木誠也外野手(27)がメジャー「初本塁打」を放った。マリナーズとのオープン戦に「2番右翼」でスタメン出場。4回の第3打席にマ軍のエース左腕マルコ・ゴンザレス(30)から、中堅左の芝生席へ高々と飛び込む初アーチをかけた。オープン戦4試合目、通算11打席目(9打数)での初安打が本塁打となり、4月7日(同8日)の開幕戦へ向け、大きな弾みをつけた。
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侍ジャパンの4番を務めた鈴木の勝負勘が、目覚めた瞬間だった。メジャーを代表する技巧派左腕に対し、第2打席までは空振り三振、中飛と、ほぼ完璧にタイミングを崩された。だが、オープン戦で初めて同じ投手と3回目の対戦となった打席で、時速87マイル(約140キロ)の内角速球を捉え、対応力の高さを披露した。「たまたまという感じです」と淡々と話す一方、同僚の出迎えに「素直にうれしかったです」と笑った。
事前のデータを信用しないわけではない。だが、鈴木にとって球種や配球の傾向は、あくまで参考程度に過ぎない。重要視するのは、自らの感性。この打席の1球目。外角へのチェンジアップを空振りしたことで、左足を上げないノーステップに切り替えた。「単純にタイミングが合わないのでノーステップにしてみました。そこで自分のスイングができたので良かったです」。広島時代も特に外国人投手との対戦ではノーステップを取り入れるなど、柔軟に対応してきた。信念はあっても、固定観念にこだわらない姿勢で、「メジャー1号」につなげた。
ロックアウトの影響で移籍交渉が進まず、キャンプに合流したのは18日。それでも、鈴木自身は泰然としていた。焦ったところで、急に仕上がるはずもない。「自分の打撃に関してはまだまだ。全然ダメだと思いますけど、ノーステップで打てたこと、タイミングを変えて対応ができたというのはプラス。自分の感覚で、見てみないと分からないですけど。そういう感じで、普通にやっていこうと思ってます」。異国の地で「普通」にやることほど、難しいことはない。それでも、力みのないスイング同様に、普段通りの口調で第1号を振り返った。