【フェニックス(米アリゾナ州)3月31日(日本時間4月1日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、進化を期待させる投球を披露した。ブルワーズ戦で「リアル二刀流」の最終調整に臨み、「1番指名打者(DH)」と先発投手で出場。投手では3回1/3を2安打3失点(自責2)で勝利投手となった。平均球速が上がった直球と、打者の手元で沈む魔球が効果的で、メジャー初の完投も狙える内容でオープン戦登板を終えた。打者では3打数1安打1打点。降板後もDHで出場できる「大谷翔平ルール」も正式発表され、1週間後の開幕へ向けて万全の準備を整えた。
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登板後の大谷の表情には、充実感がにじんでいた。4回途中、65球で3四球と3失点。結果だけ振り返れば、物足りなさはあるかもしれない。4月7日(同8日)アストロズ相手の開幕投手として、エースとして、さらなる進化が期待される22年シーズン。「ある程度、計算されるレベルは去年の初めより高くなってくる。そこに応えたい、そういう思いは去年より強く思うので、ハードルが高くなった分、対応していけるよう頑張りたい」と頼もしく語った。
昨年の経験からくる自信だけではない。投球内容が、投手・大谷の確実な進化を予感させた。直球の最速は99マイル(約159キロ)。先頭打者への2球以外は、常時97~98マイル(約156~158キロ)をマークした。昨年、直球の平均球速は95・6マイル(約154キロ)。春先で疲労のない状態であることは考慮しても、「フィジカル的に去年よりいい状態」と言う。威力が増した直球にマドン監督も「今年は95マイル以上の直球が多くあることが昨年との違いだろう」と明かし、軸となる球種の改善をたたえた。
今季はさらに、本人が「スプリットとチェンジアップの中間球」と言う沈むボールが加わる。3回2死、左の強打者イエリチを2球で二直に打ち取ったが、「もうちょっと動いてくれたらゴロになると思う。いい打者なので、そこそこいいコースに運ばれてしまった」と悔やんだ。昨年シーズン終盤から投じ、「曲げる意図はあります」と明かした“魔球”は、左打者なら外角に逃げて沈む軌道が理想。昨年、多投したカットボール同様、早いカウントで打者を打ち取れれば球数減にもつながる。試合終盤でギアを上げる大谷には、間違いなく大きな武器だ。
DHと先発投手で登板し、降板後も打席に立てる「大谷翔平ルール」がこの日、正式に承認された。昨年まではDH解除で大谷が早い回で降板すれば、攻守でチームにとって痛手だったが、「そこがまず1つないのが大きいところ」と利点を歓迎した。もっとも、リアル二刀流で完投すれば新ルールのうまみもない。もはや大谷は、その段階に入ってきた。
○…試合前、今季のルール変更が正式に発表された。先発投手として降板した場合でも、DHとして打席に立ち続けることができるようになった。「大谷翔平ルール」は現状ではエンゼルスにとって有利。昨季はDH解除のリアル二刀流で早い回で降板すれば、その後は投手交代や代打をやりくりし、救援投手も打席に立つリスクがあった。大谷は「ピッチャーでもバッターでもアグレッシブに攻められると思う。思い切って最初から飛ばして行けたら」と前向きに話した。
○…大谷は登板後、西武やレッドソックスなどで活躍した松坂大輔氏(41)と対面し、笑顔で握手を交わした。テレビ局の取材で訪れた同氏からは、短縮キャンプでの調整についてや昨年と比べてスプリットなどの落ちる変化球に関しての感触を問われ、現状の手応えと課題を口にした。