ヤンキース松井秀喜が日本人選手初のメジャー通算100号、総立ち観客からカーテンコール/復刻

2007年8月7日付日刊スポーツ紙面より

<アスレチックス-エンゼルス:ダブルヘッダー第2試合>◇14日(日本時間15日)◇オークランドコロシアム

エンゼルス大谷翔平投手(27)が、日本人メジャー最速で通算100号アーチを決めた。アスレチックスとのダブルヘッダー第2試合の5回に、節目の1発を中堅左にたたき込んだ。日本選手のメジャー100号は松井秀喜(175本)、イチロー(117本)に続き3人目。459試合目での到達は日本人最速となった。松井が日本人選手で初めて100号を決めた07年の1発を、当時の紙面で振り返ります。(所属、年齢など当時)

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メジャー5年目のヤンキース松井秀喜外野手(33)が、日本人選手初となる大リーグ通算100号本塁打をマークした。ロイヤルズ戦の3回、先頭打者で右翼席へ今季22号ソロを運んで達成した。日米通算では432本塁打。チームは3連勝で、ワイルドカード争いでトップのタイガースに0・5ゲームに迫った。

今の松井を、偶然抑えることは難しい。4点リードの3回、相手先発メッシュの真ん中低め91マイル(約146キロ)直球をフルスイングした。「感触は良かったんですけど、高く上がりすぎたと思ったんでギリギリで入ってくれて良かった」。松井には珍しく高々と打ち上げた打球が右翼席最前列に入ると、スコアボードに通算100号を知らせる文字が浮かんだ。ベース1周後、総立ちの観客からのカーテンコールにベンチからグラウンドへ飛び出してこたえた。

記念の一打は本当の意味での「ホームラン打者」の第1歩だ。試合後には「正直うれしい」。その言葉は本心ではあるが、100%気持ちを反映したものではなかった。昨年5月に左手首を骨折。リハビリ中には「よりスケールアップした姿で戻りたい」とトレーニングに打ち込んだ。開幕当初は左太もも裏の肉離れで出遅れたが、今季は「15年目の再出発」をテーマに生まれ変わった松井を表現しようとしてきた。

松井 昨年、骨折していなければもっと早く打てたんだろうけど。ケガをしてから100号を打ちたいとか、そんなのもう、どうでもよくなったんだよね。オレが100号を打っても、誰も何もしないよ。別にオレ自身、意識もしないし。

だがその言葉は、これからスケールアップした新たな自分として歩んでいく決意表明のようだった。7月は打率3割4分5厘、13本塁打、28打点で月間MVPに輝いた。地元米メディアは「本当の意味でのホームラン打者として覚醒(かくせい)したのでは」とトーリ監督に質問した。今後8、9月にスランプに陥ることがあるかもしれないが、月間13発のポテンシャルを示したことが大事だった。もうファンは「彼は年間40発打てる本物のアーチストだ」と認識し始めている。

トーリ監督は「昨年は左手首の骨折で多くの試合を、そして今年の初めもケガで欠場したが、完全に遅れた分を取り戻した」と活躍に目を細めた。遅れを取り戻しただけではない。タイトルも狙える、そして優勝のため貢献できる本来の姿が戻ってきた。

○…松井の100号をキャッチしたのは、右翼席最前列に座っていたコネティカット州在住の男性。その後のカブレラの本塁打もキャッチした幸運の持ち主だ。松井のアーチを捕ると、すぐに本人のもとへ現れ、「彼は僕のお気に入りの選手だから」と、サインバット、サインボールと交換に松井にプレゼントした。

(2007年8月7日付日刊スポーツ紙面より)