大谷翔平「リアル二刀流」でネビン監督代行に初勝利「自分が止める」チーム連敗14でストップ

エンゼルス対レッドソックス 3回表レッドソックス2死三塁、ディバースを空振り三振に仕留め、ガッツポーズで雄たけびを上げる大谷(撮影・前田充)

<エンゼルス5-2レッドソックス>◇9日(日本時間10日)◇エンゼルスタジアム

【アナハイム(米カリフォルニア州)9日(日本時間10日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、「リアル二刀流」でチームを救った。レッドソックス戦に「2番DH兼投手」で出場。投手では7回4安打1失点で4勝目を挙げ、打者では決勝の逆転12号2ラン。登板試合の1発は今季初で、チームの連敗を14で止めた。自身も投手で3連敗中だったが、今季最多の100球、直球も今季最速101マイル(約162・5キロ)をマーク。気迫のこもった投球で、ネビン監督代行に初勝利をプレゼントした。

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何度も、何度もほえた。強い気持ちが二刀流・大谷を突き動かした。4点リードの7回2死、9番アラウスをスプリットで空振り三振。大きく口を開け、渾身(こんしん)のガッツポーズを決めた。「もう(連敗中に)回ってきたものはしょうがないので、自分が止めるという気持ちで。前回(の登板)もそうでしたけど、そういう気持ちで上がりました」。アドレナリン全開。気迫満点の投げっぷりでチームを鼓舞した。

14連敗を止めた救世主。救ったのは自分自身でもあった。先制点を与えた直後、5回1死一塁から中越えに逆転12号2ラン。ダイヤモンドを回りながら、力強く拳を握った。だが、ベンチでの光景はいつもとは違った。仲間に祝福されながら、笑顔はなかった。「打ったのは打ったので終わっているので。投げているので次の回、しっかり抑える、逆転した回は特に大事。そのことを考えていました」。超速のスイッチ切り替えは、まさに二刀流だからこそ。6回2死一、二塁から遊ゴロでピンチを切り抜けると、再びガッツポーズを見せた。

あふれ出た感情表現は、投打の主軸としての責任感の表れでもあった。「みんな勝ちたい気持ちはあると思うので、なかなか思うように投打がかみ合わない。ストレスがたまる中で、何回か登板が回ってきましたけど、もっともっと早く、こういう風にできればよかった」。連敗中に大谷は投手で2敗、打者では打率1割9分2厘と低迷。二刀流を全面的にサポートしてくれたジョー・マドン監督も解任された。大谷自身にも元気がなかったが、ようやく躍動感がよみがえった。

9回2死、守護神イグレシアスの投球を最後までベンチで見守った。勝利の瞬間、先陣を切ってマウンドへ向かった。ネビン監督代行の新体制になってから3戦目で初勝利。「長かったですけど、やっぱりいいものだなと思います。14連勝できるように頑張りたい」。16日ぶりの1勝は、いつも以上に心地よかった。

○…イカ弾が勝利を大きくたぐり寄せた。1点リードの6回2死一、二塁、レ軍の2番手・沢村からベラスケスが右越えの3ラン。貴重な追加点を挙げた。遊撃手で広い守備範囲から「イカ」とニックネームをつけられ、大谷からは「イカちゃん」と呼ばれる守備職人。2球スプリットを空振りした後の直球を完璧にとらえ、「彼のスプリットは僕が見てきた中で最もすごい。直球が来るチャンスだったし、ラッキーだったよ」と振り返った。久々の勝利に試合後のクラブハウスは大盛り上がりだった様子で、「プレーオフで勝ったみたいだったね」と笑った。

▽エンゼルス・スタッシ(捕手で大谷をリード)「初球に98マイルで、これはいけると思った。いい登板になるだろうと。素晴らしかった」