消えぬコロナの「後遺症」… メジャー観客数が戻り切らず、19年同時期比で5・4%減

MLB公式球

全球場で観客数に制限を設けずに試合開催が可能となった今季のメジャーリーグだが、開幕から2カ月半が経過した現在でも、動員数は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻っていないようだ。

3年ぶりに観客数の制限が撤廃となったメジャーだが、前半戦の平均動員数は2万6409人。2019年の同時期(労使交渉問題で開幕が遅れたため、今季は10日遅い)に比べると、5・4%減となっている。

メジャーの観客平均動員数は2015年以降減少の一途をたどってきた。ただ、最も減少が見られたシーズンでさえ、その比率は2%未満。04年から17年までは14年連続で3万人を超えていたが、それ以降、この数字に届いたシーズンはない。

米大リーグ機構のノア・ガーデン最高収益責任者は「パンデミック以前の94-95%まで戻ってきている」とし、観客動員数は堅調に回復していると強調する。だが高額なチケットがファン離れを引き起こしているとの声もある。インフレが加速するなか、金の使い道に慎重になる人が増えている可能性もある。

スポーツ経済学の専門家は、メジャーリーグはほかのプロスポーツリーグに比べ、地元以外のファンへの依存度が高いとし、観光が抑制されるような事態になると打撃を受けやすいと指摘。ガソリン価格や航空券の高騰などがあれば、大きなダメージを被ることになると述べている。(AP)