<エンゼルス3-2ヤンキース>◇8月31日(日本時間9月1日)◇エンゼルスタジアム
日米通算507本塁打を放った松井秀喜でも届かなかった2年連続メジャー30本塁打を、エ軍大谷翔平がクリアした。松井が「逆方向にも打てるパワーはすごい」と絶賛するように、大谷の飛距離がメジャーでも屈指であることは言うまでもない。
日本の本塁打王として米移籍した松井は、ヤ軍入りした際、常勝軍団のメンタリティーに感銘を受けた。当時のヤ軍は、大砲ジアンビーら長距離砲がズラリと並んでいた。キャンプ中、当時のジマー・ヘッドコーチを通して、トーリ監督の「ヒット・エンドラン」のサインを出してもいいかとの問いかけに、松井は「もちろんです」と即答した。同監督が定めたデビュー戦の打順は「5番」。個人成績ではなく、勝つために何をすべきかを最優先する性格を見抜いていた。その結果、3年連続100打点をクリア。「本塁打を捨てたわけではない。ただ、他に打てる選手が多くいる。チームが勝つために何がベストか」と、自らの立ち位置を選択した。
当時のヤ軍が継承していた緻密な野球スタイルと、昨今の「バレルゾーン理論」に傾倒するパワー野球は完全に異質で、時代の違いと言ってもいい。当時のヤ軍に大谷、今のエ軍に松井が所属していたとすれば、どんな成績になるのだろうか。いずれにせよ、大谷自身が望む「ヒリヒリするような9月」にプレーする姿を、数多くのファンが望んでいることは間違いない。【MLB担当=四竈衛】
○…大谷は松井と比較しても広角への打ち分けが際立つ。ともに左打者の2人が放った本塁打の打球方向は、通算175本の松井が右中間も含めた右方向が約85%(148本)で左方向は約6%(10本)。大谷は通算123本のうち右方向は約51%(63本)で、左方向へも約25%(31本)打っている。大谷は必ずしも強く引っ張らなくても、しっかりミートさえすれば打球は遠くまで飛んでいる。