<パドレス0-1ブルワーズ>◇16日(日本時間17日)◇ペトコパーク
【サンディエゴ=四竈衛】パドレスのダルビッシュ有投手(36)は、7回4安打1失点2四球12奪三振の快投を演じたものの、打線が完封され、2敗目を喫した。
立ち上がりの初回は、10球で3者連続空振り三振と、快調に滑り出した。
だが2回、思わぬ新ルールの「落とし穴」が待ち受けていた。1死からバント安打のミッチェルを一塁に置いた際、電子機器「ピッチコム」を通して守備のサインを送ろうとする捕手ノラが、やや迷い気味であることに、ダルビッシュは気付いていた。それでも、20秒の「ピッチクロック」は着々と進む。そこでダルビッシュが1度プレートを外した動作を、審判団は「けん制1回」とカウント。パドレスベンチ、ダルビッシュはその事実を認識しないまま、試合は続行された。
その後、ダルビッシュは、カウント1-0から一塁へけん制した。さらに、1-1からベンチの指示で再びけん制した際、計3度目と判定され、今季からの規定に従い「ボーク」が宣告された。「(投球前に)1回ステップオフしたんですけど、それがけん制という形にとらえられた。ベンチも分かっていなかったですし、僕らもよく分かっていなかったので」。1死二塁から三盗、犠飛で許した1失点が決勝点となった。
それでも、試合後のダルビッシュは淡々と事実を受け止めた。「メジャーリーグの野球の一部なので、向こうも同じこと(ルールで)をやっている。勝てる理由、負ける理由というのが、また新しいルールによって増えて来ているということだと思うので、みんなここから学ぶこともあると思います」。
試合に敗れたとはいえ、スプリットを多投する新たな配球パターンを取り入れるなど、投球内容はほぼ完璧。WBC出場の影響で開幕前は調整が遅れ気味だったが、もはや不安材料はない。「筋力もWBCの時に比べたら戻ってますし、体調もいいですし、精神的にも本当に良くなって来ていると思います」。初勝利は逃しても、超満員の地元ファンをうならせる奪三振ショーだった。
◆ピッチクロック 大リーグで今季から導入された投球時間を制限するルール。投手がボールを受け取ってから走者なしの場面で15秒以内、走者がいる場面で20秒以内に投球しなくてはいけない。違反の場合は1ボールが宣告される。打者は制限時間8秒前までに打席に入り、違反すると1ストライクが追加。また同様に時短目的でけん制の回数も制限される。2度目まではOKだが、3度目のけん制でアウトにできなければ、ボークが宣告される。
▼ダルビッシュが大リーグ通算50度目の2桁奪三振。日本では52度マークしており、日米通算102度は野茂英雄の101度(日70、米31)を上回った。日米ともに50度の大台到達は史上初。日本プロ野球最多の金田正一(103度)にあと1と迫った。大リーグ最多はノーラン・ライアンの215度。