<レンジャーズ6-3エンゼルス>◇14日(日本時間15日)◇グローブライフフィールド
キング独走弾-。エンゼルス大谷翔平投手(28)はレンジャーズ戦に出場し、2試合ぶりの21号2ランを放った。9回に左中間の2階席へ運び、2位アーロン・ジャッジ外野手(31=ヤンキース)に2本差をつけた。打球速度116・1マイル(約187キロ)は、スタットキャストが導入された2015年以降、左打者の逆方向弾としては計測史上最速だった。4試合連続マルチ安打、11試合連続安打で、打率も2割9分9厘まで上昇。15日(同16日午前9時5分開始予定)の同戦には、単独本塁打キングとして先発マウンドに立つ。
◇ ◇ ◇
試合終了から約15分後。早々とシャワーを浴び終え、着替えを済ませた大谷は、ロッカー前の椅子に腰かけ、真剣な表情でタブレットに見入っていた。映っていたのは、2階席へ突き刺した飛距離138メートルの21号2ランの映像。会心の一打の余韻に浸っていたわけではない。三塁側から撮影された映像で、構え、スイング軌道、インパクトの瞬間、フォロースルーなどを入念にチェック。数回巻き戻した後、気持ちをリセットするかのように立ち上がると、クラブハウスを後にした。
投打に限らず、事前の準備が重要であることは言うまでもない。だが大谷は復習も怠ることがない。崩れている時に修正する目的だけでなく、好結果でも再チェック。試合中でもベンチ内外でフォーム確認を欠かさないのも、常に「次」を見据えているからにほかならない。レ軍のクローザー、左腕スミスには2日前の12日、スライダーで空振り三振を喫した。その際は同点の緊迫した場面で、この日は5点差。速球が外れて1-0となった後の2球目。変化球の可能性は低い。甘く入った151キロの速球を狙い澄ましたかのように、逆方向へ打ち返した。並外れたパワーだけでなく、地道な復習で培われた学習能力の高さが、特大弾の要因だった。
過去6戦5発のハイペースで、本塁打王争いは独走態勢に入った。ライバルのジャッジ、アルバレス(アストロズ)が故障離脱中でもあり、今後は一気に突き放す可能性も高い。地区首位レ軍相手の4連戦最後となる15日は、キングとして先発マウンドに向かう。試合には敗れたネビン監督も「彼が山に上がるのはいい気分だよ」と、投打の大黒柱への期待感を隠さない。奪三振ショー&豪快弾。今の大谷なら、何をやってのけても、だれも驚きはしない。【四竈衛】