「大谷翔平争奪戦」本格開始 マネー合戦様相も、大谷独特の価値観で「常識外の選択」可能性ある

ベンチで笑顔を見せる大谷翔平(2023年9月16日撮影)

今オフのメジャーで最大の注目を集める「大谷争奪戦」が、いよいよ本格的にスタートした。エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手(29)とエ軍の独占交渉期間は米東部時間6日午後5時(日本時間7日午前7時)に終了。全30球団との交渉が解禁された。史上最高額の総額5億ドル(約750億円)とも見込まれるマネー合戦か、それとも大谷独特の価値観で選択するのか-。世界中が見つめる、激動のオフが始まった。

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嵐の前の静けさか-。7日(同8日)からスコッツデール(米アリゾナ州)の高級リゾートで始まるGM(ゼネラルマネジャー)会議を前に、各球団のGMらフロント首脳陣のほか、有力代理人が続々とチェックイン。広大な敷地内に点在する高級コテージにそれぞれ「前線基地」を構え、多角的な交渉が始まる前日、夕焼けに照らされた会場の夜は静かに暮れていった。

この日で独占交渉期限を迎えたエンゼルスは、大谷側に対し、クオリファイング・オファーを提示した。大谷が1年契約の定額2032万5000ドル(約30億4875万円)を拒否することは確実視されており、他球団へ移籍した場合、エ軍は当該球団からドラフト上位の指名権を獲得する。現時点で、エ軍残留の可能性を残す一方で、同じロサンゼルスに本拠地を持つドジャースをはじめ、ジャイアンツ、メッツ、マリナーズ、レッドソックスなどが移籍先候補として挙げられている。大谷が西海岸を希望しているとの予想があるものの、ポストシーズンを争える「勝てるチーム」を優先するとも見られており、先行きが不透明なことに変わりはない。

9月に右肘の手術を受けた大谷は来季、投手としては登板できないとはいえ、打者としては開幕から出場できる見込みで、観客動員、グッズの売り上げ、広告収入を含め、「商品価値」が下がるとは考えにくい。すでに、長期契約で総額5億ドル(約750億円)とも予想されており、投打とも細かいインセンティブ(出来高払い)を含め、極めて複雑な契約内容になる可能性は高い。

手術からのリハビリが重要な時期でもあり、年越しなどの長期化は避けたいに違いない。ただ、これまで常に周囲の予想を覆してきた大谷が、金銭面だけではなく、「二刀流」として復活するまでの短期契約を含め、常識外の選択をしても不思議ではない。各球団は、どんなプレゼンテーションで大谷を口説き落とすのか-。12月上旬に行われるウインターミーティング(テネシー州ナッシュビル)をメドに、今後は水面下で激しい攻防が繰り広げられそうだ。【四竈衛】

 

◆大谷の今後の予定(日付は日本時間) 8~10日がGM会議。10日はシルバースラッガー賞発表。15日はクオリファイング・オファーを提示された選手の回答期限。15~17日はオーナー会議(アーリントン)。各球団のオーナーが大谷獲得に動くか否か、意向を明かす可能性もある。17日がMVP発表。12月4~7日は、大物FA選手の動向が決まることが多いウインターミーティング(ナッシュビル)。