【解説】大谷翔平の年俸 後払いで「ぜいたく税」に余裕 繰り延べは契約の総額を現在価値で計算

大谷翔平(2023年7月撮影)

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)11日(日本時間12日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)の超大型契約に関して、驚愕(きょうがく)の詳細が明らかになった。米メディアによると10年7億ドル(約1015億円)の約97%が後払いで、年俸は200万ドル(約2・9億円)。大谷が要望したという。これにより、チーム年俸総額が一定額を超えると課されるぜいたく税まで余裕ができ、さらなる補強を進められる。この日、ド軍は大谷との契約を正式発表し、背番号は「17」。米メディアによれば14日(同15日)に入団会見が行われる模様だ。

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大谷の契約は年俸7000万ドル(約101億5000万円)だが、200万ドルだけを24年から33年まで10年間受け取る。残り97%の6億8000万ドル(約986億円)は、契約終了後の34年から43年までの10年間をかけて、毎年7月1日に支払われる。その間に利子はつかない。

なぜ、このような特殊な支払い方法を選んだのか。MLBは、球団の総年俸が一定の額を超えると、リーグに一定の金額を納めなくてはいけない(通称ぜいたく税)。来季は2億3700万ドル(約344億円)が最低課税ラインとなる。本来の大谷の年俸(7000万ドル)だと、これだけで29・5%を占める。残り約70%でメジャー40人枠の39人分を支払う必要がある。

だが、繰り延べがある場合は、契約の総額を現在価値で計算する(現在の1ドルの価値はインフレ率4%だとすると来年は約96セントになる)。今後20年間をかけて支払われる総額7億ドルは、現在価値では、4億6000万ドルと推定される。これを10年で割った4600万ドルが、ぜいたく税の計算上では来季の大谷の年俸となる。本来の7000万ドルと比べると、差額の2400万ドルが、球団にとって残り39人分の年俸に充てやすく、補強しやすくなる。

ちなみに、地域によって住民税などが変わる。現在大谷が住むカリフォルニア州は米国内で税率が13・3%と高いため、引退後に他州に引っ越すと税金を安くできる。ロサンゼルスタイムズによると、大谷はド軍だけでなく、交渉した全球団に繰り延べ支払いを提案したという。【斎藤直樹】