【解説】「40-40」大谷翔平、ルール変更もプラスに作用 ピッチクロック走者優位な状況に

ドジャース対レイズ 4回裏ドジャース1死一塁、打者フリーマンで、自身初の40盗塁となる二盗を決める大谷(撮影・菅敏)

<ドジャース7-3レイズ>◇23日(日本時間24日)◇ドジャースタジアム

大谷翔平がメジャー史上6人目の「40-40」を達成した。

投手として100マイル以上を投げる「二刀流」でありつつ、「遠くへ飛ばし」「速く走る」という、野手の究極の夢とも言える領域に到達したことで、あらためて大谷が「世界最高の野球選手」であることを実証した。

時代の変遷とはいえ、こと盗塁に関しては、ルール変更もプラスに作用した。メジャーでは、昨季から本塁を除く各塁のベースが拡大され、一塁から二塁と二塁から三塁の塁間も4・5インチ(約11センチ)短くなった。投手のけん制回数が制限(1打席に2球目まで。3球目を投げてセーフの場合はボーク)された。

さらにピッチクロック導入に伴い、走者がいる際には18秒以内と規定されるなど、明らかに走者に優位な状況となった。実際、昨季は盗塁成功率が前年の75・4%から史上最高の80・2%に上昇。総盗塁数は1000個以上増加し、史上2位の3503個を記録した。投手が何度もけん制したり、じらすように長い時間、球を持つこともできず、明らかにスタートは切りやすい。01年、イチローが56盗塁でアジア人史上唯一の盗塁王を獲得した当時と、数字だけで比較するのは難しい時代となった。

その一方で、大谷にとって、「40-40」は最初で最後のチャンスになる可能性も高かった。来季以降、再び先発投手として復帰する際、打席数が確保できれば、本塁打を量産することは可能だろう。だが、体力の負担軽減、故障防止のためにも、たとえ出塁しても盗塁企図数が減少することは避けられそうにない。将来的に、もし打者専念となったとしても、体力的に40盗塁へのハードルは自ずと高くなる。

脂が乗り切った30歳で迎えた今季、打者専念で挑んだ大谷が、どんな指標を設定していたのかは分からない。ただ、打者として最高の勲章を手にしたことで、今後は「20勝&40発」など、大谷にしかできない大記録への期待が高まっても不思議ではない。【MLB担当 四竈衛】