山本由伸の登板間の調整“大暴投”に込められた意図、超至近距離の壁当ても/Nobu’s Eye

ダイヤモンドバックス対ドジャース ドジャース先発の山本(撮影・菅敏)

<ダイヤモンドバックス0-8ドジャース>◇25日(日本時間26日)◇チェースフィールド

ドジャース山本由伸投手(27)が、今季のレギュラーシーズン最終登板で6回4安打無失点2四球7奪三振と好投し、12勝目を挙げた。優勝がかかった試合でも存分に力を発揮し、チームの地区4連覇に貢献。MLB取材歴8年目の斎藤庸裕記者が、コラム「Nobu’s Eye」で迫った。

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山本は登板間と登板日のブルペン投球前に、大遠投を行う。100メートルはあろうかという距離で、全身を使って力強いボールを投げ込む。時に相手の頭上を大きく越え、球場のスタンドや防球ネットに突き刺さることもざらだ。その“大暴投”に実は意図があった。

「外れるのも方向があって。同じ感覚で胸をめがけてずっと投げていって、真っすぐ真上にスパーンって飛んでいくのはOK。投げた力感と、球の出方と、その先の伸び方。うまく軸足に乗って、左足をしっかり踏み込んで、いいポジションでいく。よく僕はいいバランスで投げると言うんですけど、力入れた時じゃなくてもスーッと伸びていく球が出るフォームはいい」

この確認作業を欠かさない。一方で、キャッチボールを終えると超至近距離の壁当てを行うのもルーティンの1つだ。「小学校、中学校の時から、まっすぐと変化球は同じ投げ方でっていうじゃないですか。そういう基本的なことをできるようにする確認。思いっきりキャッチボールとかしていると、ちょっと(リリースのタイミングや感覚が)ズレていたりするので。壁相手だと、リラックスできる。欲なく、じゃないですけど、いいフォームで投げられる」。繰り返しの作業に1つ1つ、意味がある。

オリックスで3年連続沢村賞を獲得し、メジャーでもサイ・ヤング賞を狙えるレベルに到達した。「僕の練習は基礎ばっかり。ちゃんと(練習ごとに)区切って、区切って、同じものを作って。ぼんやりのイメージでいかない」。その積み重ねが、最高峰のリーグでも屈指の制球力と球の質を生む。独特かつ基本に忠実な姿勢が、頼もしいド軍の新エースを作り上げた。