山本由伸「信頼」を「結果で返せた」PS最多111球でメジャー初完投勝利 圧巻14打者連続凡退締め

ブルワーズ対ドジャース 完投勝利を飾り、捕手スミス(右)からウイニングボールを受け取るドジャース山本(撮影・菅敏)

<ナ・リーグ優勝決定シリーズ:ブルワーズ1-5ドジャース>◇第2戦◇14日(日本時間15日)◇アメリカンファミリーフィールド

【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)14日(日本時間15日)=四竈衛、斎藤庸裕】由伸の快投で敵地連勝-。ナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦に先発したドジャース山本由伸投手(27)が、ブルワーズ相手に9回3安打1失点と、公式戦を含め、メジャー初完投の快投を演じた。先頭打者弾で先制されながら、精密な制球力と快調なテンポでブ軍打線を牛耳った。低調気味だった大谷翔平投手(31)も適時打を放つなど、ド軍が投打ともに本領を発揮。シリーズ突破へ大きく前進した。第3戦は16日(同17日午前7時8分開始予定)、舞台をロサンゼルスに移して行われる。

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27個目のアウトを空振り三振で奪った山本は、トレードマークの雄たけびを上げることなく、静かに右手を握りしめた。ゲームセットの瞬間をマウンド上で迎える感覚を、久しぶりに思い起こしていた。「こっち(米国)に来て初めてだったので、すごい達成感を感じました。とにかくチームの勝ちに貢献できたので、それが一番うれしかったです」。出迎えたナインとハイタッチを交わし、大谷からは満面の笑みでねぎらいを受けた。

十分過ぎるほどの発奮材料を、胸に秘めていた。8日のフィリーズとの地区シリーズ第3戦では4回3失点と踏ん張れず、ポストシーズン(PS)通算6試合目で初黒星を喫した。ブ軍相手には7月7日、同地での対決で1回持たずに5失点(自責3)と打ち込まれ、自己最短KOの屈辱を味わった。ド軍の新エースとして、大舞台で同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかなかった。

初回、先頭チョウリオに初球を右翼ブルペンへ運ばれ、一気に気が引き締まった。「すごく悔しかったですけど、とにかく切り替えて」。味方打線が2回、逆転に成功し、リズムに乗った。初回から9人連続でファーストストライクを振ってきた積極打法に対し、打者ごとに「入り球」に工夫を凝らした。5回1死一塁以降は、14打者連続凡退でフィニッシュ。8回終了後は、満員だった敵地スタンドに空席が目立つほど、ブ軍打線を圧倒し、フィールド全体の空気を支配した。

昨年のPSでは、4試合に登板したものの、最多投球は86球。それがこの日は、8回、97球を投げ終えた後もマウンドを託された。「信頼してもらえる、任せてもらえるというのは、すごく選手としてはうれしいこと。結果で返せたのでよかったと思います」。ベンチの期待を意気に感じ、111球目まで強気に腕を振り続けた。

快投を演じ、敵地で連勝したとはいえ、まだ戦いは終わっていない。「今日の試合でも自分の成長はすごく感じました。こういった大切な試合を勝っていくことで、自分の成長につながればいいと思います」。12年契約のまだ2年目。日本のエース番号「18」が、ド軍でも同じ重みを持つレベルになってきた。

▼ドジャース山本がメジャー初完投。ポストシーズン(PS)での完投は17年10月14日バーランダー(アストロズ)以来ちょうど8年ぶり。球団では04年地区シリーズ第3戦のホセ・リマ(完封)以来21年ぶり。日本人では初めて。PSで先頭打者本塁打を打たれながら完投した投手は、54年アントネリ(ジャイアンツ)以来71年ぶり4人目。その本塁打以外に無失点はアントネリと2人目。

▼山本はワイルドカードシリーズのレッズ戦に次いで今PSで2勝目。PS通算では昨年の2勝と合わせて4勝目。日本人投手で4勝は、並んでいた松坂大輔を超え、ダルビッシュ有、田中将大(ともに5勝)に次いで3人目。

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