【トロント(カナダ・オンタリオ州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、連覇をかけた舞台となるブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)へ挑む。敵地から開幕する第1戦は打者で出場し、その第1打席が注目される。前日はブルペン入り後にフリー打撃で調整し、34スイングで14本の柵越え。右翼5階席に当てる特大弾をかました。23年オフのFA交渉でも対面した敵将シュナイダー監督との舌戦もニヤリとかわし、心身ともに決戦へ準備を整えた。
◇ ◇ ◇
大谷の打球に、実体験であぜんとした。「え、これが入るのか…」。右翼スタンド後方から見ていた他メディアの記者と口をそろえて言った。「センターフライみたいな打球なのに…」。外野席から見た大谷のアーチは、予想をはるかに超えるように伸びていった。
15日のチーム公開練習以来、レギュラーシーズンでは基本的に行わないフリー打撃を披露。34スイングで14本の柵越えを放った。周囲の目がくぎ付けとなるショータイムは健在。今でこそレアとなったが、担当記者として、例年の春キャンプ中も含め幾度となく大谷のフリー打撃を目の当たりにしてきた。これまではグラウンドレベルの三塁側やバックネット裏から見ることが多かったが、この日は右翼スタンドでスタンバイ。初めて目線を変えた。
1セット目の7本目、ボールをバットでこすり、打ち損じのようなフライがセンターへ上がった。だが、その打球は中堅フェンスを越えた。2セット目の6本目、右翼後方で見ていた記者の方向へ弾丸ライナーの打球が飛んできた。捕球用のグラブはない。打球速度110マイル(約177キロ)はあったかと思われる豪快弾を素手でキャッチするのは到底無理。結局、恐怖のあまり逃げるように避けた。
同組の左打者フリーマンとコンフォートらが放った本塁打とは打球の質が違った。大谷のアーチは到達点が高く、かつ伸びる。ロケットのようにセンターバックスクリーンへ突き刺さるライナー性の打球もあった。27スイング目、記者の頭上をはるかに越える打球が、5階席に設置されたスピーカー付近まで飛んだ。頭を抱えていた球団スタッフと同様、言葉を失うほどの飛距離。もしかしたら、推定150メートルも超えているかもしれない…。それほど、すさまじい打球だった。
前回は屋外フリー打撃を解禁した2日後に1試合3発をマークした。打棒爆発、再び-。軽々と柵越えする姿にその予感が漂う。